講談社ラノベ文庫<br> スーサイド少女

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講談社ラノベ文庫
スーサイド少女

  • ISBN:9784065162125

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内容説明

立入禁止の校舎の屋上を主な生息地としている捻じくれた高校生・因幡文は、飛び降り自殺をしようとしてやめた先輩の鈴鹿涼子を目撃する。死の間際にあっても何の色も映さない鈴鹿の瞳に興味を覚えた因幡は、いじめられていて球体関節人形と因幡にしか心を開かない捻じくれた後輩・小刑部智世とともに、鈴鹿のストーキングを開始する。鈴鹿の日常はシンプルで、時折死のうとしては無感動にやめる、その繰り返し。尾行、ゴミ漁り、盗聴……。小刑部の類まれなストーキング技術で、因幡は鈴鹿の心の奥底に潜り込んでいく。愚か者と煙の集まる場所で、彼らの捻じくれた青春が風に揺られる。寂しくなったら読んでほしい、奇妙なストーカーと自殺先輩のお話。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

よっち

33
立入禁止の屋上が主な生息地の高校生・因幡が、そこで出会った先輩の鈴鹿涼子。飛び降り自殺を止めた鈴鹿に興味を覚えた因幡が、いじめられっ子の後輩・小刑部智世とともに鈴鹿のストーキングを始める青春小説。死のうとしては無感動にやめる鈴鹿の背中を押したいと感じ、小刑部のストーキング技術を使って鈴鹿の心情に迫ってゆく因幡。それぞれが抱えるどうにも屈折した想いは複雑で、執着ゆえにその行動もどんどんエスカレートしていって、育まれてゆく奇妙な連帯感をぶち壊し本音でぶつかり合ってしまう不器用な彼らの結末は悪くなかったですね。2019/07/31

のれん

17
90年代後半から00年代に多かった陰鬱とした少年少女のたわいない青春物語。 登場人物全員が弱く孤独で、後ろめたい過去や屈折した視点を持っている。もしここに異能力が加われば「ブギーポップ」みたいになるだろう。しかし作者は今作でそういった強い人間を作らないようにしている。 どうしようもないほど、つらく苦しい生き方をしているけど死ぬのは怖くてできない。恐怖は自分を見つけて欲しいという願いに繋がっている。もしそれが叶えば少しは自分も他人も好きになることが出来るだろう。地味ながらテーマに血肉が通っている作品。2019/09/04

真白優樹

15
立ち入り禁止の学校の屋上を根城にする捻くれた少年が、同じく捻くれた後輩と共に、自殺しようとして死にきれない先輩を調査し始まる物語。―――捻て曲がって、だけどだから分かる事がある。 結局の所皆どこかで似た者同士、一番下を彷徨うからこそ君の事が目に留まる。 静かに火薬を積み上げていって最後にとびきりの炎で吹き飛ばすような物語であり、くっついたと思ったら激突して何だかんだでくっつく、捻くれた奴等の真っ黒でヤバい、ここにしかない青春が見られる物語である。似た者同士、だから明日もここで。 うん、面白かった。2019/08/04

ツバサ

12
正直、退屈なところが長くて辛かった。ただ、最後の弾けっぷりは良かった。長所短所ハッキリしていた。2019/08/04

CCC

11
そうじゃないだろう、そこは読者の心をえぐって爪痕を残しにいく場面……という思いもあったが、殴り合ってわかりあう、青春! みたいな話だったと考えるとこれが正しいのだろう。ちょっと惜しくはあるけれど。ただ作品のテンション感は好きだったし、なによりイラストの暴力(あるいは暴力のイラスト)が面白かったので嫌いにはなれない。2022/01/14

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