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内容説明
初期大乗仏典の代表的傑作である維摩経を、20世紀末に発見されたサンスクリット原典に依拠して全訳&徹底解説。もっとも読みやすい、維摩経入門の決定版!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
南北
45
男性出家者だけが悟りを開くことができるとする小乗仏教を批判することで登場した大乗仏教の初期経典である。在家信者の維摩居士(ヴィマラキールティー)を主人公として十大仏弟子や菩薩たちが「空」という思想を理解していないとしてやり込められている所から始まる。天女が男性にならない理由など、すでに法華経の「変成男子」を先取りしているところもおもしろかった。読んでいると細部にこだわってしまい、全体が見えなくなってしまう可能性があるので、各章についている解説から読んだほうがいいのではないかと思う。2024/07/07
おせきはん
27
在家の菩薩ヴィマラキールティ(維摩詰)とブッダの弟子、菩薩らの対話から「空」の思想が解き明かされていきます。解説の助けも得ながら、不二の意味、ここで説かれている有為、無為は一般的に使われる有為、無為とは異なることなどをより理解できました。2021/12/29
はちめ
7
とりあえず読み終えたが、当方の実力と興味を超えていて理解できなかった。大乗仏教初期の空論などが繰り返し説かれている。前半部分においては繰り返しの表現が多く、初期仏典の影響があり、後半部分になると法華経的壮大な舞台における物語的表現が多くなる。いずれにしても、解説なしには理解が難しい。☆☆☆☆2020/05/05
無能なガラス屋
2
「如来にとってブッダの国土は功徳の飾りで荘厳されているのだ。それなのに、衆生は決してだれもそれを見ることはない。これは衆生の無知による過失なのであって、如来の過失ではないのだ。」2024/05/12
aki
1
サンスクリット語原本が現存していなかった『維摩経』だが、1999年7の月にチベットのポタラ宮殿で写本(貝葉写本)が発見された。その貝葉写本を訳した労作。もちろん漢訳経典とは異なっている部分もあるが、むしろ驚くほど似通っていて、漢訳の訳者(特に鳩摩羅什)が原本に結構忠実に翻訳したことがわかる。主に「空の思想」が説かれているが、否定によって空を示しているため、よくわからぬ。そのそも空の思想を、どれだけ学んだとしても仏にはなれないよね。ブッダは空を示すことで声聞の弟子たちを、どこへ導こうとしたのかね。2025/06/11