内容説明
血液がんにかかり、危うく見落とされそうになった柏木氏。その治療をサポートしたあと自分のがんを発見し、手術を受けた中川氏。2人を仲介し、「自分もがんの2つや3つはある」という養老氏──この3人が再会し、患者・治療者・助言者というそれぞれの立場から、医者と患者の未熟さ、統計的思考の危うさ、日本人の死生観までを大談義。がんのタブー視をやめ、患者の生き方を大胆に提案する、今までにない「がん体験指南書」!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
coldsurgeon
6
医師と患者のコミュニケーションは大変重要である。病名告知、インフォームドコンセント、共感力、寄るそう姿勢、などさまざまのことが言われるが、どれも的確ではない気がする。医療者と患者との間にあるヘルスリテラシーを小さくしようとする努力をしながら、治療法の選択を、患者にすべて委ねることを回避しなければ、けないのかもしれない。2020/04/09
さちめりー
4
2019年発行の本。執筆中に中川氏にもがんが発見されたとのこと。2024年には養老先生も肺がん治療を始めている。当時から、がんは自分ひとりの病気ではないので治療しないわけにはいかない、と胸の内を語られている。柏木氏は2017年にがんが見つかり2021年に敗血症で亡くなった。結果まさに余命4、5年だったわけだが「余命はわからない、ということにしませんか?」という中川先生の言葉に愛を感じる。養老先生は、統計でしか物事を見ない者、特に医師に厳しく忠告している。「がん」や「死ぬこと」をタブー視しない真摯な一冊。2025/02/09
Yoshldaのヨッチャン
4
癌化した部位は違うが、がんという病に罹患し、入院し手術し抗がん剤治療中の身として、同じような体験をし感じ方をしている著者に、立場は違えどエールを届けたい。自分的には、2年後の生存率を気にするのでなく、今日を、今をどう乗り越えるかに注力し、その積み重ねが明日に繋がっていくと思いたい。医者の看たてと判断を信じ寛解することを願うのみだ。2019/08/03
Asakura Arata
3
多分がんになったら、生活がガラッと変わるだろうことは予想できる。できるだけ楽しいものにしたいと思うが。中川先生が日本人はヘルスリテラシーが低いというが、それならなぜ世界一の長寿国になれたのだろう。そこがひっかっかった。2019/11/20
K
2
希少がんに罹患した大学教授とがんサバイバーでもあるその主治医、そして主治医の恩師で教授の友人でもある解剖学者が、がんの発覚から寛解に至るまでを綴り、死生観や医療のあり方を鼎談で語り合う。柏木先生の穏やかさ、中川先生の率直さ、養老先生の至言の数々(社会的な人間関係の中で、人は成熟していかないといけないが、その必要とされているはずの成熟がなくなってきている。身近な人があまり必死になっていると、周囲はつらいもの。人間は生まれた限りみな不治の病にかかっている、死ぬんだから、等々)が印象に残りました。2019/12/17
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