内容説明
血液がんにかかり、危うく見落とされそうになった柏木氏。その治療をサポートしたあと自分のがんを発見し、手術を受けた中川氏。2人を仲介し、「自分もがんの2つや3つはある」という養老氏──この3人が再会し、患者・治療者・助言者というそれぞれの立場から、医者と患者の未熟さ、統計的思考の危うさ、日本人の死生観までを大談義。がんのタブー視をやめ、患者の生き方を大胆に提案する、今までにない「がん体験指南書」!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
coldsurgeon
6
医師と患者のコミュニケーションは大変重要である。病名告知、インフォームドコンセント、共感力、寄るそう姿勢、などさまざまのことが言われるが、どれも的確ではない気がする。医療者と患者との間にあるヘルスリテラシーを小さくしようとする努力をしながら、治療法の選択を、患者にすべて委ねることを回避しなければ、けないのかもしれない。2020/04/09
Asakura Arata
3
多分がんになったら、生活がガラッと変わるだろうことは予想できる。できるだけ楽しいものにしたいと思うが。中川先生が日本人はヘルスリテラシーが低いというが、それならなぜ世界一の長寿国になれたのだろう。そこがひっかっかった。2019/11/20
Yoshldaのヨッチャン
3
癌化した部位は違うが、がんという病に罹患し、入院し手術し抗がん剤治療中の身として、同じような体験をし感じ方をしている著者に、立場は違えどエールを届けたい。自分的には、2年後の生存率を気にするのでなく、今日を、今をどう乗り越えるかに注力し、その積み重ねが明日に繋がっていくと思いたい。医者の看たてと判断を信じ寛解することを願うのみだ。2019/08/03
K
1
希少がんに罹患した大学教授とがんサバイバーでもあるその主治医、そして主治医の恩師で教授の友人でもある解剖学者が、がんの発覚から寛解に至るまでを綴り、死生観や医療のあり方を鼎談で語り合う。柏木先生の穏やかさ、中川先生の率直さ、養老先生の至言の数々(社会的な人間関係の中で、人は成熟していかないといけないが、その必要とされているはずの成熟がなくなってきている。身近な人があまり必死になっていると、周囲はつらいもの。人間は生まれた限りみな不治の病にかかっている、死ぬんだから、等々)が印象に残りました。2019/12/17
神谷孝信
1
実際にがんにかかった経験に基づく生きる指針となる内容。42019/09/02