窓の外を見てください

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窓の外を見てください

  • 著者名:片岡義男【著】
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 講談社(2019/07発売)
  • ポイント 18pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065166758

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内容説明

江國香織さん、陶酔! 小説風に書くと、“「革新的? 確信犯的? なんといっていいかわからないわ、でも、すみずみまでほんとうにおもしろい」と香織は言った。「小説のなかで何度も発生するのね、小説が」そう続け、「それにしても、きび団子」と感に堪えたように呟いて、「こんな小説、片岡義男にしか絶対に書けないわ」と、幸福そうなためいきをついた”のでした。デビューしたばかりの青年作家・日高は、勝負の2冊目執筆のため、かつて親しかった3人の美女を訪ねようと思い立つ。その間にも、創作の素材となる出会いが次々に舞い込んできて……。小説はどのように発生し、形になるのか。めぐり逢いから生まれる創造の過程を愉しく描く。瑞々しい感性を持つ80歳の“永遠の青年”片岡義男、4年ぶりの最新長篇。

目次

1 ラプソディック担担麺
2 裸の彼女を西陽がかすめる
3 笑ってはいるけれど
4 エリカの花、アカシアの雨
5 ため息をつく幸せ
6 発想して組み立てる
付録短編 踏切を渡ってコロッケ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アキ

64
片岡義男初読み。スローなブギにしてくれから44年経ち、御年80歳とは思えない小説。出てくる女性はみんな美形で知的、すらっとしていて男の要求に素直に答える。31歳の日高は短編小説の構想を考えていた。61歳の夏木冬彦も日高も著者自身の分身なのだろうか。作中に日高が書いた短編で「ため息をつく幸せ、というものがあるのよ」って終わり方がいい。短編について夏木が語ったこと「物語は無理して探さなくても、ふと見たところにあるんだよ。そこには時間が動いているからね。その時間のなかに展開があるんだ。」がそのままのような小説。2019/09/07

Y2K☮

37
連作短編集。31歳の男と20代の女の話し方や語彙がいまのそれとは異なる。いつの時代の若者を想定しているのか。ため息で「幸せ」に留保を付ける結婚観は一見現代だが初期の大江健三郎も近いものを書いてた。あとそうなる流れでそうならない=性的繋がりを殊更に避ける展開を自立心に富む男女の粋な関係性と捉えるか不自然な気障と見るか。日常生活を小説へ変換していく手法や台詞の利かせ方はさすがの技。良くも悪くも長年の常連ファンに向けたいつもの味か。登場人物の年齢を脳内で全体的に引き上げれば即名作とも思える。作家志望の人はぜひ。2022/09/13

aloha0307

29
洒脱だけど筋の通った いい男たち と 清流のようにシュッとしたいい女たち(年齢層は幅広い) 出会い、係わり新たな思いがけぬ展開が待つ...前読作”と、彼女は言った”と同様 小説in小説 のスタイルがピタッと決まってるね☺ 駆け出しの若き小説家が文芸新人賞受賞後、第2作のモチーフを求め、昔の彼女たちを訪ねます。登場人物に語らせる手法も冴えてるなあ✿ ”傘をさして女がひとり、雨のなかに立ってます”と自らをかたるいい女✿素敵だった☺ 80歳になられてもこの瑞々しい感性 片岡さんに完全に脱帽です☺2019/10/05

SOHSA

19
《kindle unlimited》「なるほど。」読了後の感想はこの一語に尽きる。当時、角川文庫の赤表紙の頃の片岡作品に夢中だったが、片岡義男は平成の終わり令和の始めにはこのようになったのかと改めて感慨深く理解した。時間は流れ、時代は確実に移り変わった。昔の片岡作品には登場しなかった携帯電話が本作ではもちろん当然のごとく登場する。なるほど、時間は過ぎたのだと改めて感じた。2024/07/04

ケニオミ

11
短編小説を書く必要があるため、そのことを題材にして短編小説を書く。小説の出来栄えは置いといて、そのメンタリティがあまり好きではありませんね。結局読み通しましたが、読み終わってホッとしました。もう読まなくてもよいという意味で。2019/09/06

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