創元推理文庫<br> 忘却城 鬼帝女の涙

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創元推理文庫
忘却城 鬼帝女の涙

  • 著者名:鈴森琴【著】
  • 価格 ¥1,018(本体¥926)
  • 東京創元社(2019/07発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784488529055

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内容説明

死者を蘇らせる術で発展した亀珈王国。名付け師が居を構える霊昇山に、死者の代弁機関である夢無鵡予言院から使者が訪れる。剥州に封じられている二十四大鬼の一体・鬼帝女に不穏な動きがあり、退魔を要請したいというのだ。二十四大鬼といえば退魔不可能と言われた大幽鬼、名付け師といえど退魔はおろか、封じるだけでも命がけだ。そこへ名乗りをあげたのは百人の御子のひとり、才はあるが病弱な千魘神だった。魘神に同行するのは、牢から放たれ、霊昇山に身を寄せている王族殺しの大罪人・曇龍。果たして大鬼退治は成功するのか――?/解説=妹尾ゆふ子

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

よっち

40
死者を蘇らせる術で発展した亀珈王国。名付け師が居を構える霊昇山に、死者の代弁機関、夢無鵡予言院からの使者が訪れ、二十四大鬼の一体に不穏な動きがあり退魔を要請する第二弾。剥州に現れた大鬼・鬼帝女に絡む様々な思惑と、北砂の民に起きた悲劇。予言院の夢無鵡・氾潤虎が暗躍する中で、舞蒐や北砂の民、鬼帝女などいくつものエピソードを絡めた物語が、鬼帝女討伐に向かう曇龍・魘神の決着によって収束していく展開は良かったです。前巻より読みすくなりましたがまだまだ重厚な世界観で、いろいろと気になる点も残っているので続巻に期待。 2019/08/15

はるき

26
 聞いて聞いて聞いて~!読書好きの皆さん、凄い新人が出てきましたよ~!構成力あり、描写力あり、何よりも読者の読みたいものが何かしっかり分かってる。仮想中華風ファンタジー、重厚な出来でした。2019/08/04

すがはら

24
儒艮と金魚小僧が出てこなかった。二人とも他の登場人物のセリフで名前が出てきただけとか悲しい。もうちょっと噂話くらいしてくれよー。北砂の生き残り曇龍を中心に話が進むので辛い悲劇の半生を読み進める覚悟でいましたが、新登場の魘神が素直で屈託のない奴で、いい感じに話の重苦しさを吹き払ってくれました。世界観や細かい設定が相変わらず凝っていて読み応え充分でした。是非続きを出してもらいたいです。2019/11/28

Norico

17
忘却城続編。大鬼退治。今度は夢無鵡予言院との権力争い。曇龍かっこいいし、千魘神もいいなぁ。2020/06/02

RIN

16
儒艮は鳴りを潜め、曇龍を含む女性達が新たな第一歩を踏み出す物語。そして愛すべき魘神の為の一冊。読む前に予想していた展開とは大きく異なるものの、御子達が個性豊かで楽しい。陰謀、駆け引き、籠絡。全てが血腥く陰険で不条理。毒を持った花が鮮やかに咲き誇る様に、腐敗臭が漂うこのグロテスクさこそが魅力的。失った光に焦がれる曇龍と残された命で飄々と生きる魘神。二人は出逢い、恋愛未満の感情で互いの熱を知る。苦しみばかりが闊歩する世界でも、彼らはしゃんと背を伸ばす。それがこのシリーズを愛してやまない要因かもしれない。2021/07/30

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