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内容説明
〔「シンギュラリティ」を葬り去る〕「二〇四五年、AI(人工知能)は人類を超える」著名な科学者や企業家がシンギュラリティ(技術的特異点)の到来をまことしやかに予測するが、そんなの嘘八百! 過剰なAI言説の背後にある、GAFAら巨大IT企業の政治的野望とは? 哲学者による警告の書。解説/西垣通
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
C-biscuit
17
図書館で借りる。AIのシンギュラリティについて書かれているが、否定的な立場の本である。自分自身もそう思う。コンピューターが発展がめざましいが、ムーアの法則もいつまでも続かないことも書かれていた。いずれ物理的な限界が来るようである。最も量子コンピューターなどの仕組みが違うものが台頭してくるのであろうが、そういう予想の域を出ない未来であると感じる。ただ、こういうことを楽観的に考えるか、真剣にリスクをどう捉えるかである。科学者など発言力のある人が警笛を鳴らしていることは軽視できない事実でもある。将来はいかに。2021/07/01
紡ぎ猫
15
すみません。シンギュラリティは来るものだとばっかり思ってました。シンギュラリティの脅威を喧伝しながらAI開発に巨額を注ぎ込む大企業は、ここで開発を止めたら他社に先を越されるという強迫観念からだと思ってました。でも、だからといってシンギュラリティは来ないとこの本は全否定しているのではなく、あくまでそういう可能性があるというにとどまっている。結局シンギュラリティは来るのか来ないのか、この本を読んだだけではわかりませんでした。2019/09/14
大先生
10
フランスの哲学者・AI研究者によるシンギュラリティ否定本です。シンギュラリティ仮説には楽観論、悲観論があるが、「真面目に検討するに値しない」「ほとんどありそうにないこと」。それなのにGAFAM等の巨大ハイテクIT企業がシンギュラリティ仮説を支持する目的は、【①技術が自律的に進歩して人間を支配するかもしれないが、それは歴史の必然で人間にはどうしようもないと宣伝したい(=責任回避)、②近代国家に代わって世界を支配し、新しい世界を創り上げるという政治的目的を有していることに気づかせない(=目くらまし)】だと。2022/07/25
ふるい
9
"それにしても、現代の科学技術と大昔の神話が共存する姿には、驚かずにはいられない。超近代化されたこの時代に、テクノロジーと神話が手を取り合ってギリシャ神話を復活させようとしているのだ。" (p.148)2019/10/14
塩崎ツトム
8
そもそもの「シンギュラリティ」がふわっとした、IT企業が宣伝用に吹聴している与太話なので、それに関する批判も非常にふわっとしている。少なくとも昨今の第三次AIブームは、自動運転車などある程度の成果を残しつつ、今までのAIブームとおなじく、「期待外れ」とあきられて終息するのではないか。2019/11/29