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内容説明
印象操作や偽情報の流布によって世論や情報を操作し、政治や選挙への介入をする動きが世界各地で起きている。誘導工作=インフルエンス・オペレーションである。
それは各国の政治・経済、社会を揺るがし、国境を越えた安全保障上の脅威となっている。さらに近年は、IT技術の進歩と普及により、範囲もスピードや威力も格段に増した。またそれはポピュリズムとの関連がきわめて深い。誘導工作の危険性は、いま米欧で重大な関心事である。
本書は世界各地での徹底取材から、この「現代の危機」について内実と深層を明らかにした決定版である。誘導工作は決して他人事ではない。五輪の盛り上がりを迎え、政治の変動もありうる日本において、「すぐそばに迫る危機」でもあるのだ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
かず
22
25頁でやめた。理由は購入動機であるフェイク・ニュース等の情報操作への興味が覚めたから。少し読んで、暫く本を置きつらつら考えてみるに、そもそも誘導工作と呼ばれる行為は遥か昔から存在していたわけで、別にIT社会の到来と共にロシア、中国がやり始めたわけでもないし、アメリカだってやっている。よって、その行為自体を問題視するのはあまり意味がなく、むしろ「我々がどう情報と向き合うか」の方が大切だ、と感じた。正直、情報に踊らされるくらいなら遮断した方が余程良い。中国のような情報統制社会のメリットも感じる。2020/07/09
さきん
22
今までは電波妨害やウイルスを侵入させるサイバー攻撃かつ軍事施設、団体を対象にした攻撃が多かったが、2010年代からはターゲットは民間企業で政治に対する影響力の強い組織のネットワークに入りこんでからの、誘導的な偽情報の撹乱という手口が多くなっている。今回はロシアが攻撃側として、イギリスやイスラエルが防衛側として研究が進んでいるということで事例や取り組みが紹介されている。2020/02/08
hk
22
「殺すより盗むがよく、盗むより騙すがよい」 チャーチルによる諜報の極意。要は「戦争をするより他国に傀儡政権を置いておいた方が安上がり」ってこと。…さてここからも私見だが…WW2というのは保護主義の中で勃発した。これは「大国が保護貿易を行い、資源を持たない国家がやむにやまれず戦端を開いた」という文脈で語られがちだ。だが「保護主義の中でヒト、カネ、モノわけても”情報の移動が遮断され”たため、諜報による戦争抑止力が脆弱になり、大戦が勃発した」という仮説はどうだろうか?即興での論理展開だが脈がありそうな気がする。2019/08/12
templecity
10
ITの発達したこの時代において軍事攻撃よりもハッキングなどITによる攻撃が世論を煽ったり政権を批判させたりといった意味で有効である。ジャスミン革命などその最たるものであろう。近年の大統領選挙などでもロシアが世論操作に介入したといったことが議論になっている。フランスでは選挙においてIT攻撃が認められたら通信を止めると言った措置の法案が通ったようだが、言論の自由の確保との紙一重の施策である。フェークニュースがはびこったり設楽何が真実か分からなくなる。(続きあり)2019/07/04
いづむ
9
発売当初に読んでいなかったことが悔やまれる。パンデミックやロシアによるウクライナ侵攻など、偽情報や意図的な誤分析が拡散されてその分野に詳しくない人に不安や不信を抱かせる機会が増え、社会の脆弱性も可視化されてきているように思う。「誘導工作」を行う側をつきとめたり禁止したりするのはほぼ不可能なので、情報の受け手としての備えの必要性を痛感した。狙われている自覚が低いところほどダメージが大きいという点は納得。この分野の情報は定期的にアップデートしていきたい。2022/11/03




