- ホーム
- > 電子書籍
- > ビジネス・経営・経済
内容説明
バブルとバブルの崩壊から始まった平成時代。マクロ経済政策も、規制緩和中心の構造改革も、「失われた20年」を克服できないどころか、症状を悪化させてきた。セーフティネット概念の革新、反グローバリズム、長期停滞、脱原発成長論などをキー概念に、一貫して未来を先取りした政策提案を行ってきた著者による30年の痛烈な総括。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
112
日本経済の平成時代の状況をよく分析している良書であると思います。私が普段から思っていることを歯に衣を着せず書かれていて旨がすっきりします。やはり経済ではこの方、一般的な点では丹羽宇一郎さんあたりが本当のことを言っているのでしょう。マスコミがほとんど今の政権になびいている状況でこの分析は貴重なものです。本当に新しい産業分野や構造改革を行わないと年金を補うにはは2千万どころかもっと多く必要になるのでしょう。2019/07/11
rico
91
金融政策の話などは知識がなくて難しかったけど、それでも本書が出た平成末期には経済がもうかなり危機的状況だったことはわかる。市中に溢れた資金は内部留保や株や不動産に回り、新しい成長産業や人や分配やらにはいかなかった。新自由経済下で市場に委ねれば、多分それが必然。本来は国が長期戦略に基づきあるべき方向に引っ張っていくべきだったのだろうが、高度経済成長を支えた産業の岩盤既得権益を温存し、変化の機会を逃してしまったように見える。コロナ・ウクライナときて状況はさらに悪化。活路はあるのか。ともかく今日は投票に行こう。2022/07/02
佐島楓
61
小泉改革とアベノミクスによる功罪は大きい。日銀の金融政策が末期的であり、外的要因によりバランスを崩せば恐慌に陥る可能性を考えると一刻も早い改善が求められるのに、誰も見て見ぬ振りをしているように感じられるのはどうしたことなのか。日本はこんな無責任国家で良いはずがない。2019/04/23
壱萬弐仟縁
38
他の本屋で入手できず、GWになってようやくゲット。他著https://bookmeter.com/books/5136399 の続編のような今日的課題をも分析対象としている良書。特に気になったのは、やはり、消費増税問題。クレカ支払いで得する/しない(129頁~) 二分されるのは大いに問題と思う。本書の構成として、単なる現政権批判の書にとどまらず、対案、政策提言を第5章で明記していることである。どれも傾聴に値するが、国政調査権を使い、国会での証人喚問をして言い逃れされないように。2019/05/05
skunk_c
36
周回遅れの経済政策で、すべて後手に回ったことと、リフレ派の金溢れ政策について厳しく指弾する。また、ヴィジョンのない政治と、破綻した金融機関や、東電などの無責任体質の問題点も指摘。ただしいわゆる「縮小経済」では危機的状況に陥ると、必要な成長は目指すべきと、現実的な面もあるが、その成長やら「豊かさ」の基準は今ひとつよく分からなかった。現総理批判は痛快。ただし、提言の中にある「中学校完全給食」には疑問も。根拠不明でどこかの党派の受け売りに思えたのはマイナス。ともかく現政権支持者はこの批判に真っ向勝負するべき。2019/08/14