内容説明
タイ国の首都バンコクの北方に位置するノンタブリー県。この地にタイ全土の犯罪者たちから恐れられている刑務所がある。その名は、バンクワン刑務所(Bang Kwang Central Prison)……。
懲役30年以上の長期受刑者、終身刑者、そして死刑囚が収容される、重罪犯専用の刑務所である。本書はタイ版アルカトラズ刑務所とでも言うべきバンクワン刑務所で、14年間も服役していた日本人受刑者の手記をもとにした本である。
手記の主である“男”は、裏ビジネスのほころびからタイの空港で身柄を拘束。言葉もわからないまま、臨んだタイの刑事裁判で“死刑”の求刑を受けてしまう。
そこから犯罪渦巻くバンクワン刑務所に送られ、殺人犯や麻薬密売グループの中で、10年以上にわたってサバイバル生活を送った。
所内で飛び交う1000バーツ札、暗躍する麻薬密売グループ、囚人たちからワイロを受け取る悪徳刑務官……終わりの見えない長すぎる刑期、過ぎて行く時間、たえまない絶望の中で“男”を支えたものとは何だったのか。
知られざるアジアの刑務所の内側を覗き見る、かつてない衝撃の手記!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gtn
20
タイは王様の国であり、仏教の国であることを実感する。一審で死刑を求刑され、二審で懲役三十年が確定し、服役した著者。普通ならばこのまま塀の中で生涯を終えるところが、王室の慶事により特赦が度重なり、生きて日本に戻ることができた。一方、日本では死刑が確定すれば、恩赦が適用される可能性はゼロに近い。ほぼ冤罪といえる袴田巌さんも例外ではない。王の慈悲や国民の宗教的信念が、政治を恣意的に動かせる国にいたのは著者にとって幸運だった。そんな国だから重罪が下されたともいえるが。2020/04/06
活字@れつだん先生
1
海外の刑務所の中の話、めちゃくちゃ面白い。プリズン・ブレイクや刑務所のリタ・ヘイワースな世界。日本とはあまりに違いすぎる。2023/08/12
酒飲み本読み
1
★★★★☆ DACOで日記を読んでたときは、持病もあり帰国はほぼ望めないみたいなことを書いてたけど、無事?戻れたんやね。一気に読んでしまった。2021/01/05
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