講談社文芸文庫<br> 壺坂幻想

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講談社文芸文庫
壺坂幻想

  • 著者名:水上勉【著】
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  • 講談社(2019/07発売)
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  • ISBN:9784062900027

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内容説明

盲目で死んだ祖母への鎮魂に、作家は壺坂寺に詣でた。山道を辿ると、みかん水を売って祖母を大切にした叔父の悲運、生きている母の姿など、親族の誰彼もの不幸が思い浮かんでくるのであった……。『雁の寺』『越前竹人形』『飢餓海峡』の著者が、作家生活20年にして初めて、書かずにはいられないテーマに突き当たった。水上文学晩年の陰翳に満ちた豊かな文学世界の到来を約束する、家族を巡る追想の連作短篇集。生きるとは、私とは、何か?

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

梅村

5
私小説としての色合いが強い短編集。盲目だった祖母や多くの女に逃げられ職を転々とした叔父、極道に身を染めた事で転落した祖父など、著者自らの親族への追想が書かれていますが、とりわけ表題作の『壺坂幻想』が素晴らしいです。『壺坂霊験記』の舞台であり、盲人の集まる壺坂寺に詣でたいと生前言っていた、祖母の本意はどこにあったのか。もしそこを訪れたなら、祖母は他の多くの盲人達のように故郷を捨てたのだろうか。「なが生きしとると、見んですむことを見る」という祖母の最期の言葉が刺さります。2015/03/28

hirayama46

2
はじめての水上勉。おそらくは自らの家族を描いた私小説的な連作短編集。全体的に乾いた静かな筆致で、それぞれの異なる不遇、十人十色の思い通りにならない人生が語られます。しみじみ良い本でした。2019/02/28

shizuka

0
作者の祖母、叔父にまつわる思い出集。小説を読んでからこの随筆を読んだ方が、より作者の心情に近づけるような気がする。背景になることがおおい、寂しくて、侘しくて、貧しくて切ない情景。いつもそこに魅かれる。そして淡々として感情が入らない文体。故にじんわりと心にしみ入り、そのままじわじわと広がって忘れられなくなる、そんな1冊。2013/05/07

焼き鮭三郎

0
淡々とした飾らない筆致のおかげか、作者の追想に自らが溶けて同化していく。心の中にじんわりと広がったものが忘れられない。そんな作品でした2022/07/14

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