内容説明
本書の著者であるアメリカの思想家ケン・ウィルバーが提唱した「インテグラル理論」は、人・組織・社会・世界の全体像をより正確につかむフレームワーク。「インテグラル(統合的)」であるとは、差異の中にある共通性を大切にすること、多様性の中にある統一性を尊重することを意味します。多様化、複雑化した世界を読み解き、人・組織・社会というあらゆるセクターで存在している課題に向き合うにあたり、大きなヒントを与えてくれるものです。現実的に、私たちが生きている社会は、複雑化の一途をたどっています。昨今目覚しい発展を遂げているAIやブロックチェーン技術の台頭は、新たな恩恵をもたらす一方で、新たな課題を生み出しているのもまた事実です。こうした現実に直面した私たちに対して、「インテグラル理論」が与えてくれる示唆のひとつは、「個人の内面、そして社会・文化の発達度合い」という視点です。哲学、心理学、人類学、社会学、宗教、生物学、システム科学など多様なテーマ、ジャンルを統合的に捉えることを通して、「人・組織・社会の健全な発達のモデル」を示しました。人材開発、組織開発、事業構想、社会課題の解決・・・・・・本書が示す成長モデルは、VUCA時代のリーダーに大きな示唆を与えてくれます。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tenouji
14
包括的視点でまとめられた重要書ではあるが、どこか今の時代、魅力が半減しているようにも感じる。2019/08/17
人間
13
ティール組織を理解したくて読んだ。文はやさしいのだけど一読では飲み込みきれない深さがある。多元的なグリーンの何が欠点なのか、ティール組織ではわからなかったのだけど、ティール未満の第一層のミームにおいては他のミームとは分かり合えず互いに対立をしているという。ティール(ここではイエロー)以上にいくと否定ではなく、第一層を全て包括するという。全ては必要な発達過程であると。これらは成人発達理論という分野になるらしい。関連分野を読み進めたい。2019/08/23
chacha子
6
読みました。なんというか、こういう新しい考えが人類を牽引していくのかなと。2023/06/09
Kyohei Matsumoto
5
非常に複雑なことを極めてシンプルに書いている。本質は発達心理学であるということだと思われる。自己、社会、自然が段階を経て成熟していくということを書いてある。この世界全体の統合的な見方。あまりにも広すぎる地図のような理論。でも、こういう地図があると見通しを立ててあらゆる生活上のさまざまなことを見渡せば、こんなに冷静に落ち着いた目で世界や自分をみることができる。幅広い視点で物事をみる性質を持っている人なら、もっと早く知りたかったなと誰しもが思うだろう。これからの変化しうる時代を考える上での必読書だ。2023/03/18
らる
4
本書は、ありうるひとつの「万物の理論」についての簡潔な全体像を示したものである/心の成長や発達とは、一連の段階が次々と開きだされていくこと。直線的にすすまず、多種多様な様態をとりながら展開/発達とは自己中心性の減少/自分自身の多くの側面を同時に鍛えれば鍛えるほど、統合的変容は起こりやすくなる。物質、身体、心、魂…の諸段階すべてを考慮に入れる。自己、文化、自然のすべてにおいて、物理的、情動的、心的、スピリチュアルの段階のすべてを訓練すること2024/06/03
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