進化の意外な順序 - 感情、意識、創造性と文化の起源

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進化の意外な順序 - 感情、意識、創造性と文化の起源

  • ISBN:9784826902076

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内容説明

太古の単細胞生物から、神経系の構築、感情や意識の出現、そして創造性へ――
「ソマティック・マーカー仮説」をはじめ、脳と心の理解を主導してきた世界的神経科学者が、その理論をさらに深化させ、文化の誕生に至る進化を読み解く独創的な論考。
創造的な知性を生み出した進化の意外な順序とは?
ホメオスタシスなどの生命活動や感情が果たす役割は?
芸術やAIにまで視野を広げ、斬新な視点から生命と文化の関係を考察するダマシオの集大成的な最新作。世界21カ国で刊行!

目次

はじめに

第1部 生命活動とその調節(ホメオスタシス)
第1章 人間の本性
第2章 比類なき領域
第3章 ホメオスタシス
第4章 単細胞生物から神経系と心へ

第2部 文化的な心の構築
第5章 心の起源
第6章 拡張する心
第7章 アフェクト
第8章 感情の構築
第9章 意識

第3部 文化的な心の働き
第10章 文化について
第11章 医学、不死、そしてアルゴリズム
第12章 人間の本性の今
第13章 進化の意外な順序

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

absinthe

147
ホメオスタシス。生命の状態を維持安定させるための仕組み。これが感情を生み出し知性に働きかけている。知性は脳の専売特許ではない。純粋な知的活動も多くは感情の影響を受けており、それは霊長類どころか遥かに古来の生命にも由来する。感情は脳以外の身体にも関連し、腸などの臓器の影響も受けている。ただこの本、ちょっと読みにくかったし、実例をもう少し詳しく書いてほしかった。2019/04/03

やいっち

88
アルゴリズム万能主義の世にあって、その危うさをダマシオは説く。人間(生き物)は、中枢神経系に象徴される知能のみで生きているわけではない。内臓や皮膚も含めた肉体全体という、総合的な存在。その存在感は、我々が感情という、アルゴリズムの範疇には(当面、あるいは相当研究が進むまでは)入りきれていない、曖昧だけど極めて生き物にとって大切なサバイバル機能が考慮されていない。ロボットには、アルゴリズムの能力を高めても、感情モドキが加わってくるのは可能性として乏しい。2019/03/23

テツ

22
感情。意識。人間が今この瞬間に至るためには必要不可欠であったであろうそれらの起源について生物学的に解説してくれている。ホメオスタシスが全ての鍵となる。生命を維持するために効率の良いメカニズムを模索していき視覚や聴覚などで得た情報を自らの内側で再構築していくうちに、それらに付随するように意識が生まれていく。日々の生活で感情とか意識とかに振り回されがちだとそれらについてネガティブなイメージを抱いてしまうけれど、人間にとって必要だから生まれ、必要だから所有しているモノだと思うと考え方も変わりますね。2020/03/09

evifrei

14
生物のホメオスタシス(恒常性)を意識の発端と捉え、危険を回避するために身をすくませることや、危険にさらされた際に生じる恐怖・痛覚が感情の起源であるとする。また、ネガティブな経験により刻まれた記憶が現在の恐怖として知覚されることには、未来の危機予測に寄与する意味を持つとされる。例えば、火傷をした子供が火を怖がることは、過去に火により苦痛を受けた事を現在の恐怖として知覚し、それにより将来再び熱傷を受けることを回避しているといえる事などが想起できるが、具体例を考えながら読むことで著者の主張も解りやすく読めた。2020/03/11

Hiroo Shimoda

14
感情は大脳が結果として生んだものではなく、恒常性から必然的に生まれてきたもの。いわば余剰ではなく必須。感情的になることも生きていくには大事か。2019/09/19

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