内容説明
高須藩の六男に生まれ、会津松平家の養子となった容保。初代藩主保科正之が定めた会津藩家訓による徳川将軍家への絶対随順を、精神に叩き込まれる。幕末の動乱期、家老たちの反対を押し切って京都守護職を拝命。京都の治安に尽くし孝明天皇の信を得る。だが、戊辰戦争で朝敵の汚名を着せられ…。信じた正義のために潔白を明かそうと、信念を貫いた武士の誇り高き人生を描く書き下ろし歴史小説。
目次
一章 鳥羽伏見から
二章 左近衛中将
三章 和田倉門内
四章 泣 血 氈 へ
五章 やませ吹く地
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
174
歴史の苦手な方も軽い感じで読めると思います。そして、鳥羽伏見の戦いから戊辰戦争の事もわかりやすく学べますね。会津藩主・松平容保の様々な困難の中、そして葛藤のある中、義を持って信念を貫いた姿に、戊辰戦争の敗北後、周囲の人が松平容保の擁護する結果になったのでは。その周囲の動きに感動。ラストの方でジーンとするシーンもあり面白かったです。義とは何か?正義とは?それを学んだような気がしますね。もし読んでみたいと興味がある方は、この物語と同著者の『ひとり白虎 会津から長州へ』とセットで読むのをオススメします!2019/06/19
ポチ
69
家訓を守り徳川将軍家に対し義を貫いた松平容保。読み易い良書です。2019/07/23
アルピニア
62
決断を迫られた時、私利私欲を捨てて道を選ぶことを義というのかもしれない。恭順か、戦うか。慶喜個人ではなく徳川家への忠義という解釈に納得した。家臣の言葉、「歴史は正義を語ります。私はそう信じます」「戦争は敗者を生みます。敗者にも言い分があることは、殿がいちばんご存知でしょう」が重く響く。戊辰戦争後は家臣の苦労を目の当たりにし、会津の正義を問う事も叶わず苦しい日々だったと思う。しかし、宮司就任と孫娘の輿入れは、義を貫く姿をちゃんと見ていた人がいるのだと示されたようで、心がじんわりと熱くなった。2019/07/12
えんちゃん
43
義に生きた松平容保。幕末から維新の激動の中、会津の掟を忠実に守り『生きて』朝敵の汚名をそそいだ、誇り高き武士の人生物語。容保や慶喜をはじめ、幕末志士の苦悩の想いが交差する。改めて会津の誇りに魅せられた。もっと知りたい。容保の曾孫で松平家十四代保久氏の解説も良かった。2019/07/23
鈴木拓
28
いわれなき罪を負い、朝敵とされてなお義を貫いた会津藩。 今の時代から見ればその正義が理解できるが、そうでなかった時代を生きた松平容保をはじめとする会津の人々の苦しみはどれほどだったか。 白虎隊の少年たちを弔う碑に刻まれた松平容保の句は、涙なくして読むことができなかった。 結末の解釈にも納得。 読んで損のない一冊。2020/01/14
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