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内容説明
三河吉田藩の目付役が書き残した詳細な記録から「参勤交代のリアル」を再現! 天保12年(1841)、病気の藩主に変わって江戸から国元の三河吉田(豊橋)への参勤交代を命じられた若殿・松平信宝(のぶとみ)。若殿にとっては初めてのお国入りである。この参勤交代の準備を仰せつかったのが目付役の大嶋左源太。しかし、決まらない日程、馬に乗れない老家臣、ダブルブッキング、初のお国入りの理想と財政難という現実……次々と問題が持ち上がる。左源太は、若殿を無事に出発させることができるのか? ○磯田道史氏推薦!「三河吉田藩の若殿様が参勤交代をした時の詳細な記録が発見された。この古文書をもとに参勤交代の驚くべき実情が明らかにされる」
目次
第1章 若殿と左源太(大嶋左源太豊陳
“若殿”松平信宝
山椒は小粒でも辛い
松平伊豆守家と「島原」)
第2章 参勤交代アレンジメント(殿様は“タンキ”
若殿のお国入り
「御意」を示す殿様と行列人数
左源太登場
先例と現実の間で
道中法度を叩き込め
宿のご予約はお早めに
吉田藩にもあった『超高速!参勤交代』)
第3章 “サンキュー”におまかせ(派遣で成り立つ大名行列
“サンキュー”とは何者か
島原御陣200年記念式典
専属契約の秘訣
山々安全、川々大水)
第4章 必読!参勤交代マニュアル(荷物は馬に積んで逃げよ!
川札の値下げ交渉
宿割役人VS旅籠屋
宿割役人はつらいよ
旅費節約のしわ寄せは御供に
紛失物は金で解決?
お供のアクシデント
殿様の一大事)
第5章 若殿様のお国入り道中
第6章 その後の三河吉田藩と大嶋家
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ホークス
42
2019年刊。吉田藩(愛知県)の1841年の参勤交代(江戸→国元)をとてもリアルに解説。担当者は殿様や幕府の意向に加え、随行員たちの都合にも振り回される。他藩も同時期に移動するため宿の調整も難しい。行列の半分は短期雇用。派遣業者は給金をピンハネしつつ粗暴な行いは放置する。トラブルには下級武士が体を張って対処したようだ。参勤交代が面倒なのは、幕府も藩も軍隊であり牽制し合っているから。危うい均衡の中でさえ威嚇し合うのは、どこでもお馴染みの光景。本書では古文書の原文と読み下し文を省いている。読みやすくて大賛成。2023/05/07
サトシ@朝練ファイト
30
参勤交代のみならず、家老級の人間関係など実に面白かったです。2020/03/15
onasu
25
参勤交代は想像以上に大変。7万石の大名で領地が三河でも、300人超、通常6泊7日の旅程を組まなくてはならない。 おまけに、本陣が一軒の宿場ではバッティング不可、出発日の変更や川止め等で旅程が狂っても組み直し。また、行軍の意味もあるので、予定通り、且つ速く進まないといけない。 他にも、大人数ならではのトラブル、城下町に泊まった時等の挨拶、貢ぎ物(売り込み)への対応等など出費を抑えるだけでは済まない。 大名行列たる然は人目の多い地のみで、多くの旅程は三々五々進むというのは、いかにもな建て前でいいですね。2019/07/20
なにょう
20
およそ300キロ。現代なら東京駅から豊橋駅まで、新幹線なら最速で、1時間半もあれば到着できるという。★1841年のこと。病気持ちの藩主のかわりに息子の次期藩主が名代として、8日間かけて歩き通す。準備大変だったろうなあ。参勤交代の虎の巻ともいうべきマニュアルがあったり、お金を出せば人足を派遣してくれる商人がいたという。出立したら出立したで、ほうぼうから接待を受けるからお礼を払うし、断る場合もある。こりゃお金がかかるね。2022/07/06
パトラッシュ
19
参勤交代がテーマの本は浅田次郎の「一路」が有名だが、浅田さんは小説に仕立てるためいろいろ加えたり削っているのがわかる。太平が続いた時代、地元と江戸を往来する参勤は大名の武威と面目を示す場であったが、実務を担う家臣には戦争に匹敵する大事業だったわけだ。その失敗や混乱や思惑に振り回された大名行列の実像を、コンパクトな新書で紹介した出色の一冊。歴史好きの人には当時を舞台にした本やドラマが一層面白くなること請け合いである。それにしても江戸時代は現代並みのマニュアル化と派遣労働者に支えられていたのだな呆れてしまう。2019/10/08
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