内容説明
ニュースは今や、紙でもテレビでもなく、ネットで読む時代になった。一方、キュレーションメディアの盗用問題、アメリカ大統領選時に顕在化した偽ニュース問題で、ネットニュースの信頼性は大きく揺らいでもいる。こうした「ポスト真実」の時代にニュースを正しく読むためには、固有のリテラシーが必要だ。それぞれのメディアの特徴を理解し、使い分け、ネット情報を正確に読み解くためのノウハウを、日経新聞の記者を15年務めた著者が、その経験知を基に解説。もう偽ニュースにはだまされない!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hk
22
ネット上で我が世の春を謳歌しているポータルサイトとキュレーションサイト。しかしそこでは新聞記事、雑誌記事、ネット専門メディアそして個人ブログまで様々なものが同列に扱われている。しかしそれぞれビジネスモデルやコンテンツの特徴が異なるものであり、決して同列には扱えない代物だ。だから本来キュレーションサイトとは、それぞれの媒体の差異を熟知しており、コンテキストを見抜く眼力を備えた人物が閲覧すべき高度なサイトである。だが実際には情報リテラシーに劣る人々の閲覧比率が高く、そのことがネット発の混乱を招いているのだ。2018/09/18
ophiuchi
19
この本で述べられている民主主義のあるべき姿は、私の考えと一致している。かつては「読み物」であった新聞が信頼度の高い情報源として認められていったように、インターネットも成熟していくだろうという知見は、指摘されてみれば最もだと思うが、これまでになかった希望に繋がるものだと感じた。2017/07/14
Piichan
7
既存メディアへの反発は、既存メディアの独占性(東京や県庁所在地への一極集中、記者クラブ制度、大卒者ばかり採用、クロスオーナーシップ)の大きさから来ていて、ネットメディアは独占性のないメディアとして期待が大きかったのだと思います。しかしネットメディアが信頼性の低さでネットユーザーの期待を裏切ったいま、既存メディアは独占性を改めて読者・視聴者に寄りそう姿勢が求められているのではないでしょうか。 2017/05/06
しゅー
6
★★奇をてらわず、伝統的な理論で丁寧に整理されている。「実際、ネット上で起きている問題の大半は、伝統的なジャーナリズム論でマスコミ自身の課題として議論されてきたものです」「~マルクーハンが本と新聞を対比している部分は、『本』を『新聞』、『新聞』を『ネット』に置き換えると、しっくりくることが少なくありません」切り口として「『活字離れ』の『活字』は何を意味していたか」や「『未完成』でもリリースする文化」、そして自分のスタンスを意識するための3つの軸(理性↔伝統、自由↔統制、弱者保護↔優勝劣敗)が印象に残った。2020/06/27
あんすこむたん
5
メディアの関係性について、述べた本。今までの見方と違うものが見えてくるし、大事なものが分かる。2018/08/01
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