内容説明
“心”ではなく、読者の“脳”を刺激せよ!
テーマ、キャラクター、プロットの組み立て方を脳科学の観点から指南!
脳科学、神経科学、認知心理学……ゆるぎない事実に基づく、物語創作の新しい実践ガイド。脳はストーリーをどう認識するのか? そして、どのようなストーリーに夢中になるのか?
面白いストーリーは、私たちの意識を常に集中させ、他のことに気をそらせない。つまり、ストーリーを書くうえで重要なポイントとは、「次に何が起こるか知りたい」という脳の欲求を常に引き出し続けることである。それが欠落していたら、どんな美しいメタファーも魅力的なキャラクターも、読者を満足させることはできないのだ。
小説、映画脚本、短編などの実例を参考にしながら、脳を満足させるためのストーリーの書き方を指南する。人間の“認知的無意識”が明らかにする、物語創作の実践ガイド。
まさか、こんな“神話”を信じて創作していませんか……?
「美しい文章は何にもまさる」
「物語で最も大事なのはプロット」
「登場人物を知る唯一の方法は、完全な経歴を書き上げること」
「感覚的な詳細描写は物語を生き生きとさせる」
「種明かしのためには、情報を伏せておくことが読者を引き込む秘訣だ」
本書ではこのような神話を退治し、脳(=読者)を魅了する物語の姿をお見せします。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
eirianda
12
脳が読みたくなる……というタイトルで、脳科学の見地からストーリーの書き方を解きほぐすのか、と思い込み購入。原題は『WIRED FOR STORY』。確かに脳科学本からの引用は多いけど、作者はド文芸の人だった……まんまと日本の出版社の罠にはまった気分。多くの物語指南本と同じことを言っている気もするが、人物の内的ストーリーに重きを置いて説かれていて、プロットといかに絡むか、という部分が興味深い。他の指南本はプロットなどの形式本が多い中、結構ハッとさせられ……しかし、なぜか読み難い……何度も読まないとな。2016/10/02
そんれい
7
物語の舞台裏を見るようで、とても面白い。この知識があれば、気にも止めていなかったことに気付きが生まれ、物語を深読みできそう。素直な気持ちで読めなくなる危険性もあるかも2021/08/15
袖崎いたる
6
ある種の唯脳論。脳は物語を欲している。本質的に読者であろうとしている。では、人が物語の書き手になるとしたら、これらの事実を踏まえてどのように書けばいいのだろう? 神を信じるように、脳を信じるように、物語を信じるのだ。それは作者よりも読者に信頼を置き、読者を物語が物語であることを保証する使者なのだと理解することを指す。だから、自分が書くものはブンガクだからと言ってエンタメを馬鹿にしたり、理解されないのは読者がアホやからだなどと考えてはならず、ひたむきに物語サマに己れの精神を奉ることが肝心。物語教への入信案内2020/12/19
Pustota
5
読者を引き込む物語の書き方を、脳科学の視点から分析する。なぜ人が物語に惹かれるのかという点が根本にあるので、読者として物語を楽しむうえでも多くの気づきがあった。創作にまつわる様々な「神話」を論理的にぶった切っていくのも面白い。2024/09/11
さなお
4
まず読み物として面白いんだけど、仰るとおりすぎてところどころ刺されたのでダメージも負った めちゃくちゃ参考になったのでこれからも好きに妄想しつつルールを取り入れていこうと思います…2023/08/01