講談社文庫<br> カミの人類学 不思議の場所をめぐって

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講談社文庫
カミの人類学 不思議の場所をめぐって

  • 著者名:岩田慶治【著】
  • 価格 ¥770(本体¥700)
  • 講談社(2019/07発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784061834354

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内容説明

われわれは、カミという言葉を忘れようとしている。しかし、未開とよばれる人びとは、夢に実体を見て、日々草木虫魚と語らいつつ、カミとともに生きている。近代文明が切り捨ててしまった不思議の世界にメスを入れ、移りゆく森羅万象の闇の底に、初源の生の姿をとらえる。野性の眼・耳・心をとり戻す、衝撃的な原点の書。自然界に拡がる、人類が創り出す「カミの空間」を探り、失われた心を求める意欲作!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

takeapple

10
文化人類学者岩田慶治が、フィールドとしていた東南アジアの村々や、造詣が深かった道元の正法眼蔵、自身の戦争体験等から、カミがどう生まれるかやあの世とこの世、魂について考察した名著。30年以上何度も読み直している。明治以降の新興宗教から折口信夫、柳田國男、ピアジュやタイラーまでその博識ぶりには脱帽する。魂なんて迷信と片付けるのではなく、西洋近代合理主義以外の世界観も考慮しないといけないと強く思う。2017/06/08

Koki Miyachi

9
自分の内部の不思議な灰色の空間の背後に、不思議な場所があるように思われる。その未知の領域をさぐってみたい、そんな願望、衝迫にうながされて書いたという。文化人類学の立場で、東南アジアの原初的な村々へのフィールドワークを踏まえた考察の数々。夜、不思議の構造、生と死、野生の眼、鎮魂の座標、神の見える場所、数と魂と場所等々。9つの章立で西方の人(西洋ということだろう)の方法理論によらず、自分の眼を信じ自在に考察を進める。日本の民族学の二大潮流、柳田学と折口学を比較対照しながら、自らの立脚点を語るくだりも興味深い。2014/01/05

メーテル/草津仁秋斗

0
日本を中心に東南アジアも含めた人類の民俗を人類学的手法で分析した本。折口に寄り過ぎて柳田への扱いが雑過ぎやしないかと感じた。2015/04/06

とまる

0
カミや不思議や魚との言葉。それは、私たちがイメージする「少数民族」のような人たちだけが生まれながらに持っているわけではない。逆に、都会 先進国 そうした場所に居る人たちが、そこから遠く離れすぎて 二度と取り戻せないわけでもない。やらなければできなくなってしまうのは、普段自分達がやっている色々なことと同じ。見えるものだけを信じすぎれば、見えていないものに目を瞑ってしまう。触れられるものだけを感じていたら、触れられないものを感じられなくなってしまう。2012/05/16

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