内容説明
「私は身分違いの相手に想われ、玉の輿に乗った女である。」――並外れた美貌と作歌の才に恵まれた平安朝の一女性が、浮気の絶えない夫との生活から女同士の確執、一人息子への溺愛ぶりまでを赤裸々に綴る。無類に面白い千年前の記録を、大胆かつしなやかな日本語で生き生きと再現させた現代人必読の書。平安朝日記文学の傑作を、しなやかで優美な現代語で甦らせた名篇。女の人生、夫次第。古典のおもしろさ、新発見!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
高橋 橘苑
13
平安時代の貴族社会には関心が無かったが、杉本さんの作品なので目を通してみた。予備知識も無く読み進めたので、美貌と作歌の才能に自惚れたエゴの強い、自分を勘違いした人の日記かと素直に思ってました。その後のかげろふ日記を読み、当時は彼女の家柄では絶対に公卿・殿上人になれず、兼家の求婚に実家の力をあてに出来なかった事実を知ると、「兼家との結婚生活は彼女にとって、一種のたたかいだった」との杉本さんの指摘は感慨深いものになる。家格に応じた平凡な生活でなく、自らの才能を恃む生き方を選んだ人だけが持つ透徹を感じてしまう。2015/02/18
半べえ (やればできる子)
0
★★★★2011/01/04
サチ
0
読みやすいような読みにくいような…?2002/01/30
あおい
0
平安セレブの鬱々した日常を世間に広めたのは藤原兼家(道長のパパ)の妻(とはいえ、”本妻”ではない)。だけど兼家さんちぃーとも懲りてない、それよか気にしてないってカンジ。今日こそは来るか~と待ちわびてる夜、邸の外で音がするので門を開けて待ってると、素通りしてヨソのオンナの家へ行く夫、、、そりゃぁ悪口書きまくりますよね。この兼家さん、わざと”素通り”し感情を逆なでする変な癖があるのね、兄が危篤でも見舞わず、門前を思い切り”素通り”して帝に逢いに行き怒髪天の兼道に関白職をいとこに譲られちゃう憂き目に遭っちゃう2020/09/04