ジェインズヴィルの悲劇 ゼネラルモーターズ倒産と企業城下町の崩壊

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ジェインズヴィルの悲劇 ゼネラルモーターズ倒産と企業城下町の崩壊

  • ISBN:9784422360102

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内容説明

世界トップレベルの自動車メーカー・ゼネラルモーターズ。その生産工場が閉鎖したとき、企業城下町ジェインズヴィルの分断は始まった。元工員と家族、教育者や政治家、財界人にいたるまで、異なる立場の人々に行った緻密なインタビューが、事実のみならず心理まで克明に描写する小説さながらのストーリーテリングに結実。「住民のパーソナルな物語」を通して「二分した全アメリカの物語」を浮彫りにした、衝撃のノンフィクション!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

こばまり

53
企業が撤退した街のコミュニティの衰退を描く。失業後に職業再訓練を受けた者の方が、受けなかった者より就職率が低く、収入が少ないという統計結果に驚く。願えば叶う、努力は報われるというアメリカ的な理念の瓦解に、戸惑い打ちひしがれ奮闘する人々の姿。2019/10/22

星落秋風五丈原

28
一つの産業で町が保っていたってこんな感じなんですよね。海外に工場が移ってしまって日本でも他人事ではないでしょう。2019/08/06

DEE

16
GMという巨大企業がなくなった後のジェインズビル。そこで働いていた人だけでなく、地域全体が抜け出せない貧困と格差の沼に引き摺り込まれていく。 一社に依存する地域はいい時と悪い時の差が激しい。そしていい時を知っている人間はなかなか現実を受け入れられず、今を耐えればいずれはまた良くなるだろうと考えている。 もしかしたら心のどこかではそんなことは叶わぬ願いだと気付いてるのかもしれないが…。 子供に受け継がれる貧困は日本も他人事ではないはず。ズシリと重い物を残す一冊。2019/10/27

人生ゴルディアス

5
企業城下町のその企業がつぶれたら町はどうなるのか、という一例。すごく苦しい展開が続くのと同時に、他人事なので「自己責任」の文字がむくむく出てきてしまう。しかし驚くべきは、再訓練のため大学にいき今までとは違う職種に就いた人と、大学に行かず以前と同じ職種を探し続けた人の再就職率と収入の比較。なんと、必死に勉強して方向転換した人のほうが就職率が低く、その後の収入も厳然として低いのだ…。同じ方向にアップデートと、方向転換は全く違うことらしい。AIで失職しても云々の議論は、このことを肝に銘じる必要がある気がした。2020/01/03

にわ

2
アメリカ、ウィスコンシン州のジェインズヴィルにあるGMの工場が閉鎖となってからの5年間を、様々な人の立場から時系列で追うルポ。街を出る人残る人色々ではあるが、元工場の労働者でレイオフ後幸せになったものは誰一人としていない。むしろ幸せになったのは政治家やその取り巻きの慈善活動に興ずる人々。中流階級の没落による不満と対立というアメリカの縮図が見えた気がする。2020/01/20

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