内容説明
現役医師が入念な取材を重ね臓器移植の危険性や問題点を世に問う、本格派医療小説。主人公の新町京祐は、医師を目指す医学部生。しかし、突然襲いかかった病魔で入院、腎炎から慢性腎不全を患う。退院後、引き続き医師を目指して研修を行うものの、人工透析が必要な、不具な身体になってしまう。日本では合法的方法として、脳死から提供される生体腎移植があるが、希望して待っていても絶対的に提供者の数が少なく、物理的に不可能といわれる。そんな彼の元に、全国腎移植推進協会を名乗る男から、フィリピンでの臓器移植の話が持ち込まれる。貧困のため、二つある腎臓の一つを売りたい人がたくさんいて、裏で売買されているとか。倫理観にさいなまれる主人公だが、ついに決心をし旅立つ。手術は成功したかのように見えたが……!?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
MASARU.T
2
昔、仕事で少し関わった事がある臓器移植が題材。また医学生の成長が数々の犠牲の上に成り立っている点や、簡単なミスから訴訟につながる恐ろしさ等、生々しい臨場感が楽しめました。 本物の医師ならではでしょうか。 少しのミスも許さない風潮に今後を考えるとゾッとします。2017/12/04
A2
0
医学生の青年が突然病魔に襲われ、やがて人工透析が必要になる。体力、精神的にも彼を非常にネガティブにさせたが、法医学ではなく臨床医を目指し研修医として医療現場に立つ。医療現場の厳しさは咄嗟の判断とミスが許されない状況だけではなく、死生観や考え方が各々違う患者に「もっと生きたい」という気持ちを起こさせ、痛みや恐怖を軽減させるために何ができるかが大きい。医師は釈迦にはなれない。最終的な選択は患者にある。タイミングさえ間違えなければ助かる命もあるが、選択は患者にある以上、時を巻き戻せないことを思い知ることもある。
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