内容説明
多村安佐郎は、“よろず請負業 さくら屋”を営む20代。有名教育評論家の認知症を抱える母の世話、防犯カメラに映る子供の万引き犯の保護、不気味な大声が響き渡る病院の祈?……。町の小さな事件たちは、別の“なにか”の輪郭を描くようで、安佐郎は全容をつかむため動き出す。ばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞作家による、日常に紛れ込む謎の欠片を集めた心揺さぶる連作ミステリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あっちゃん
22
何でも屋が主役の連作短編!何やら過去がありそうな主役で、ただ普通の依頼が何故かいつも不審な方へと進んで行き主人公が探偵の如く謎を解いていく!最後には主人公の過去も明らかになるけど、シリーズ化されるのだろうか?( ̄ー ̄)2023/08/14
おれんじぺこ♪(16年生)
21
初読み作家さん。「〇〇すぎる〇〇の依頼」というタイトルの短編集で、よろず請負業さくら屋、の安佐郎に持ち込まれる案件の謎を解いていく、みたいな感じ。サクッと読めます。2019/08/02
PAO
20
「紹介しますよ。道筋がつくまで、責任持ってお付き合いしますから」…悲しい記憶と罪を抱く《よろず屋》安佐郎が、ある町に起こる事件を見逃してしまう様な些細な出来事を足掛かりに鋭い勘で解決する連作ミステリ。作者は福山ミステリー文学新人賞の受賞者とのことで、認知症患者、生活保護親子、PTSDを背負った栄養管理士といった弱い者への優しい心と眼差しは島田荘司の御手洗さんゆずりではと思いました。殺人などの重大事件には至らなかったけれど、どれも私達の身近に起きるかもしれない悲しくて重たい事件で何となく身につまされました。2020/01/26
香翠
16
辛いと言うか、悲しいと言うのか。私の想像のずっと上をいくストーリーでした。2019/10/19
りんりん
13
よろず請負業を営む青年の元に、痴呆老人の世話などの依頼が来る。それぞれの依頼に隠された事情等があり、それを明らかにし、解決していくというもの。同時に青年の事情も明らかになっていく・・・。さくさくっと読めるけど、思っていたよりも暗かったかな。2019/08/17