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内容説明
「朧げな『平成』の輪郭と本質を俊英が『私(わたくし)社会学』を駆使して見定める書。」――本郷和人氏推薦!/天皇陛下のおことば、ITと広告をめぐる言説、野球とサッカーが辿った道……。茫洋として語り得ない「平成」の形を同時代に語られた「ことば」をもとに探っていく、「令和」の時代に捧げる極私的平成論。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hk
17
僭越ながら私見を開陳させてもらおう。昭和とは「難解な言葉で、解りにくい」時代だった。翻って平成とは「簡明な言葉で、より解りにくい」時代となった。象徴的なのがまさに象徴天皇の言葉遣いだ。昭和天皇のお言葉は格調高すぎて世俗的ではない。当然庶民にはまるで伝わらない。これは岩波朝日をはじめとする昭和の活字メディア全般にも敷衍できる現象だ。かたや平成天皇のお言葉は一言一言平明であり一般向けにかみ砕かれている。だが文脈をとることは昭和天皇よりも難儀である。これは「政治的発言をしてはならない」という制約のなせるわざだ。2019/08/07
みこ
11
平成を言葉で振り返るという本だが、軽く肩透かしを食らう。平成天皇論に関しては原武史氏の名著を読んだ後だと軽くて浅い印象。広告がシリーズものばかりになってしまったのは連ドラが医療物・刑事物ばかりになってしまったことと通じるかもしれないのでこれについては慧眼だと思う。最後に選んだテーマはネットかと思いきやなぜかひろゆき氏について。しかも半生を細かく描く丁寧っぷり。全体的に狭くて浅い本だなという印象。2019/08/18
Go Extreme
1
平成と「わたし」: 昭和と野球 野球という浪花節 巨人と自民党 平成と「おことば」: 語る天皇 象徴としてのお務め 戦後70年 天皇陛下の「おことば」の歴史 「おことば」への自覚 天災と天皇 平成と「広告のことば」: 消費=わたし=快楽 『広告批評』の終わり 明るい抑圧 働き方 変わらないCMと変わらない「平成」 そして広告も「批評」も消えた? 平成と「インーネットのことば: ナナロク世代と平成 平成のことばから私社会学へ: 戦争のない時代 歴史の真空パック 解説や格差を求める社会 ことばの空回り2022/11/15