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内容説明
東京医大の入試不正事件で明るみに出た、女性の医学部受験者への減点操作。「必要悪」「長年の公然の秘密」との声も多かった。医学部人気で女性志願者も増える現在、なぜ「女医は要らない」と言われてしまうのか。新研修医制度、新専門医制度の導入はなぜ、さらなる医師偏在、医療崩壊を招いたのか。フリーランス女医として活躍する著者が、女医の現状を鋭く分析。真に有効な「女性活用」「医師の働き方改革」のヒントを提示する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
香菜子(かなこ・Kanako)
29
女医問題ぶった斬り! 女性減点入試の真犯人。筒井冨美先生の著書。女性減点入試なんて絶対に合ってはならないことだし、日本社会に女性蔑視、女性差別、男女不平等が根強く残っている何よりの証拠。女性医師が過度な負担なく気持ちよく快適に働ける環境や制度を整えないと、この国の将来は暗いと感じます。2019/07/15
おいしゃん
28
面白く一気読み。女医がモテるためにはとか、いかに結婚まで持っていくかなど軽妙には書いているが、著者の根底にある「いかに医師の労働条件を改善するか」という問題意識がしっかり伝わってきた。そして、ママさん医師や研修医が実質あまり機能しないがために、特定の人が業務過多になるのはどこも同じなのか…。2022/01/29
イトノコ
25
東京医科大学の女子減点問題から浮かび上がる、現行制度の問題点。著者の経験や印象による部分も多いが、納得できるのが大部分。結論としては、労働には相応の対価を。これ当たり前。しかし残念なのは、男性医師に関しては従来のシャカリキ医師像しか想定されていない点。今後はどの業界でも男性=仕事ファースト、女性=?という図式は崩れよう。企業や社会に滅私奉公しても、生活の保証や相応の見返りが用意されるわけではない。ならば男性も自分や家族を優先して何が悪い?ゆるふわ女医という言葉が頻出するが、チャラフラ男医、きっと増えるぞ。2020/02/07
terve
25
フリーランス女医が医療現場の事実を分析した本です。東京医大で女性減点入試が行われましたが、医療現場としての実際が優先された結果でした。許されるべきことではありませんが、解決のための課題は山積みであるのが現状です。まずは事実を知ることからでしょう。とはいえ、新研修医制度や新専門医制度など国が設定した制度によって医師不足等も出ているようです。どこか、教員の世界にも似ているような気がします。結局のところ、現場を知らない人間が制度を作るということが一番の悪ではないかと思います。2019/10/02
Roko
22
数年前に、東京医科大学の受験時の女子の点数を減点していたというニュースにビックリしました。同時に、男子の3浪以上の受験者に対しても同様のことが行われていたということも報じられていました。それは酷い話だと思っていたのですが、この本を読んで、大学側がの真意が少しわかってきました。女性医師は使いにくい、半人前、楽な仕事ばかりしたがるという医師の世界での価値観が出来上がってしまったのは、医療という仕事の過酷さゆえでもあるのです。2025/06/02




