内容説明
父は詩人で作家の吉行エイスケ、母はNHK朝ドラ主人公である美容師のあぐり、兄は作家の吉行淳之介、妹は詩人・作家の吉行理恵という一家に育った女優・吉行和子が、107歳まで生きた母の三回忌を終えたいまだからこそ語れる家族の歴史、そして80歳を過ぎた自分の来し方について綴る。
目次
第一章 母・あぐり、百七歳の静かな旅立ち
第二章 私にとっての吉行家
第三章 劇団民藝からはじまった女優人生
第四章 兄・淳之介、妹・理恵との日々
第五章 人生の残り時間を楽しむ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
79
吉行和子さんの母や、兄、妹との思い出、子供時代や劇団に入った頃の話。お母さんのあぐりさんと、夫のエイスケさん、二人とも10代で一緒になって子供を育て始めたことを初めて知った。お二人ともモダンボーイ、モダンガールだったそう。お兄さんや妹さんの本はほとんど読んだことがないのでいつしか読もうと思う。吉行さんもいつまでもお仕事続けてほしい。図書館本2025/02/01
アコ
21
著者5冊め。4歳で父を亡くし、兄と妹に先立たれ、2015年に母が107歳で他界。母の三回忌を終えて綴る自身と家族の歴史。/5冊めなので既読エピソードもあったけど、過去作にほぼなかった妹・理恵さんの話が興味深かった。仰々しさとは無縁の淡々としたトーンが著者らしい。(著名な兄や母を語るときも同様)/劇団民藝時代の恩師・宇野重吉氏から言われた一生忘れない言葉「思えば出る」が印象に残る。/山田洋次作品(『東京家族』など)も気になる。Prime Videoにあったから観てみたい。2022/06/21
青木 蓮友
16
あぐりさんと和子さん母娘の写真が、特にレンゲ畑の写真が衝撃的に可愛らしくて、思わず「わあん」と言ってしまいました。吉行和子さんのさっぱりとした語り口、とっても素敵。平熱で、どこか他人事で。エイスケさん、あぐりさん、淳之介さん、理恵さん、義父義妹に至るまで、冷静に淡々と語られて。ただ理恵さんを語るところに熱を持った生傷というか後悔の気配が。義父が自分の娘にだけ毛布を掛けてやるのをひっそり目撃した和子さんの感受性、その描写、誰にも言わないけれど鮮明という視線の強さ、凄みに圧倒されました。格好いい。痺れます。2019/08/07
チェアー
12
お母さんの話より、妹の吉行理恵が閉じこもって文章を書いていたこととか、兄の淳之介とあまり触れ合えなかったこととか、そちらのほうに惹かれる。特に理恵については亡くなる間際の場面はつらい。全体の根っこに寂しさがあるのだけど、一方でもうすぐ会えるという喜びも感じられて。2019/09/27
小豆姫
9
兄の淳之介さん、妹の理恵さん、母あぐりさんを見送って、そして自分の残り時間への思い… 吉行さんの人生を知るほどタイトルがじんっと沁みる。それでいて、さらりっと軽やかでしなやか。私も年老いた母と二人旅がしたかったな。2021/05/09
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