内容説明
かつて口伝えで継承された物語は文字に定着されることで飛躍的な伝播力を得、やがて世界を変えた。古代文明から現代に至る各時代に世界の各地で祖型を更新していった、人類文明の基盤をなす数々の大物語を抽出解説する、ハーバード大教授による大胆不敵な文芸評論。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
マエダ
54
著者マーティン・ブフナーは書字技術に注目して4000年にわたる文学の歴史を展望している。2019/10/08
サアベドラ
18
出版・書物史において重要と考えられる作品を取り上げ、その意義と関連するエピソードを綴ったエッセイ風ノンフィクション。著者はハーバードの英文学者。登場する作品は、副題に挙げられているものの他に源氏物語、千夜一夜物語、ドン・キホーテ、共産党宣言など。見ての通り、いわゆる文学史上のマスターピースを扱った本ではなく、文字メディアの発達の歴史とそれにまつわるエピソードがメインで、個々の作品のあらすじなどは最低限。けっこう分厚くお値段もそこそこだが、軽い文章で書かれているので割と気楽に読める。2019/10/15
kanaoka 58
5
ヒトが、言語体系を生み出し、口承により時空を超えて情報を伝えていったのと並行して、記号から文字・文学へと発展し、基盤テキストが生れていく。人類の文化・歴史が、ここまで、多様で精巧な形に作り上げられたのは、written world(紙・印刷・さらに現代の情報ネットワーク手段も含め)の貢献であることが理解できる。2019/12/11
おおとろ|内省的ストーリーテラー
3
☆☆☆☆2019/11/20
Tai
3
その時代を生きる人間の意識、価値観の基盤となる物語が、文字、紙、印刷、ネットと技術が現れる度に爆発的に広がる。キリスト、ブッダ、ソクラテス、孔子が文字に反しながらも後世テキストとなる。グーテンベルグの印刷機がキリスト教にどう影響したのか。共産党宣言は、原始の物語でありながら、古代の師から万人に向きあう方法を、独立宣言からは新しい政治的実体をどうつくるかを、ゲーテから世界文学を取り入れる。ハリーポッターは電子化による広がりの象徴だったのか。デレク・ウォルコット「オロメス」と「スンジャタ叙事詩」に邦訳がない!2019/08/27
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