手紙 ふたりの奇跡

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手紙 ふたりの奇跡

  • ISBN:9784065155813

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内容説明

秋田に住む小六の穂乃香は、亡き母の少女時代の大切な思い出の謎を探すため、勇気を出して長崎に住む耕治の小学校へ手紙を送る─。『ふたり』が感想文全国コンクール課題図書に、『香菜とななつの秘密』が厚生労働省社会保障審議会推薦児童福祉文化財に選ばれるなど、人気、実力を兼ね備えた現役教師作家、福田隆浩氏による感動作。「この手紙は、長崎市の東山小学校に届いていますか? そして、6年生の吉野耕治さんの手元へ届いているでしょうか? そうなっていることを信じて、続きを書くことにします。 はじめまして! わたしの名前は清水穂乃香といいます。秋田県秋田市にある桜坂小学校に通う小学6年生です。 吉野さんが、この手紙を読んでいるとしたら、きっとびっくりしていることと思います。 だって、会ったこともない、まったく知らない子から、突然こんな手紙が届いたのですから。─中略─お母さんの人生って、いったいなんだったのだろう……。 最近、よくそのことを考えてしまいます。 自分のために生きていたのかなあって。うれしいことあったのかなあ。きらきら輝いていたことがあったのかなあって……。 でも、お母さんがすっごく笑って、本当に本当に楽しそうにしていたことがありました。 そう。 それが、長崎での出来事について、わたしに話してくれたときでした。」(本文より)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆみねこ

78
長崎の小6の少年・コウに、見知らぬ秋田の少女・ホノから届いた手紙。ホノにはどうしても知りたいことがあった。ホノの亡き母が高校時代に長崎への修学旅行で経験した素敵な思い出とは?わずかな手がかりを頼りに真実に近づく二人。手紙を通して語られる素敵な物語。2019/08/14

モリー

62
「死は恐ろしくて絶対的で、いろんなものをすべて上書きしてしまうけど、でも、その逆もあるのかもしれませんね。その人生というものが、最後にやってくる死をのりこえてしまうってことです。」…手紙のやり取りを重ねる中でこんな言葉が引き出される。人は励まし合って生きている。私も誰かに励まされながら生きている。にわか雨にうたれてずぶ濡れになっても、部屋に招き入れられ、服を着替えさせてもらうこともある。生きる自信も気力も無くしたとき、笑わせてくれる誰かが現れる。その時間が励ます人、励まされる人の両方の人生を輝かせるのだ。2023/03/31

はる

60
亡くなった母親の残した言葉の謎を探るため、遠く離れた少年と手紙のやりとりを始める少女。ふたりの手紙の文章だけで描かれた物語です。少年と少女の真摯な想い、ふたりが力を合わせて謎を追う展開は、同じ福田さんの「ふたり」を彷彿とさせます(タイトルからして狙った感じですが)。ラストは爽やか、福田さんらしい誠実な物語。ただ「ふたり」に比べるとやや物足りなさも…。2019/07/27

☆よいこ

54
児童書。秋田に住む小学6年の清水穂乃香(ホノ)が長崎の小学6年の吉野耕治(コウ)に手紙を書く。ホノの亡くなった母親は大人しく暗い人生だった、唯一笑顔で語ってくれたことは「高校の修学旅行で奇跡みたいなことがあったの」という。不遇の中で死んでしまっ母の秘密を知りたいとホノは見ず知らずのコウに思いを託した。▽ふたりの手紙のやり取りがとてもいい。家族との関係や学校でのいじめのこと、友達との距離感など手紙だからこそ書ける言葉がある。謎解きも意外な所から進んでいく。▽『二十四の瞳』は未読。▽とても面白かった!良本。2020/01/27

ぶんこ

47
小6になったばかりの秋田の少女ホノが、同じく小6の長崎の男の子コウに手紙を出します。20年前に、高校の修学旅行で訪れた長崎での、奇跡のような母の思い出を探るために。いつも周りを気にして遠慮深かった母の人生に、輝かしい時、楽しい時があったのか?ホノとコウは、僅かなヒントから約1年かけて正解を探し当てます。偶然長崎のラジオ番組に出ていた母。ジングルを歌っている母。それは優しくされて楽しんでいる18歳の母でした。おとなしくて少し賢い12歳の2人が微笑ましく、ステキな物語で長崎に行きたくなりました。2019/08/06

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