中公新書<br> 贖罪のヨーロッパ 中世修道院の祈りと書物

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中公新書
贖罪のヨーロッパ 中世修道院の祈りと書物

  • 著者名:佐藤彰一【著】
  • 価格 ¥1,012(本体¥920)
  • 中央公論新社(2019/06発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 270pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784121024091

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内容説明

中世の西ヨーロッパでは、禁欲の達成のために自らの欲望のありかを特定し、意識的に摘出する思想が生まれた。この贖罪の制度化は、社会に大きな影響を与えるとともに、修道院の生活を厳しく規定していく。絶え間ない祈りと労働のなかからは、さまざまな書体や華麗な写本も生み出された。本書は、6~12世紀までのアイルランドやフランスの社会を、修道院の制度、王侯との関係、経済、芸術等から読み解くものである。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

kasim

36
5世紀~12世紀の修道院史。最近多い、分かり易さが身上の新書ではなく、コンパクトでも最新の知見も交えた学術書という感じで、さすが中公。コルンバヌス(ネッシーに説教した人とは別)はじめ、当時のヨーロッパへのアイルランドの影響の大きさに驚いた。いわゆる暗黒時代なのに修道士はよく旅をする。修道院と地元司教や王侯との危ういバランスが生臭く、その干渉から逃れるために修道院が教皇直属を志すことが今度はローマの力を増大させる。2019/05/12

かごむし

25
5世紀から12世紀までの西ヨーロッパの修道制の歴史。興味がわかないまま本文に突入した。宗教というものが持つ本来純粋な信仰心と、社会との対応、妥協、変節、改革、純化。聖なる営みと言っても、そこには人間の顔しか出てこないことを今さらのことながら当然のことだと感じる。そして一つの切り口を持った社会の通史は筋が通っていて面白い。また、中世修道院が写本の制作センターとなっていて、当時1冊の本を作る大変な労力を思うと、今簡単に1冊の本が手に入ることが有難いことだと感じたし、読むべき本は読み切っていきたいと鼓舞された。2017/08/21

fseigojp

21
ヨーロッパ中世庶民世界のにキリスト教はどう普及していったか2017/05/18

こぽぞう☆

16
禁欲のヨーロッパの続き。このシリーズ、今のところ4冊出ているようで、GET済み。故人の禁欲から贖罪へと修行の目的は変化していく。メロヴィング朝、カロリング朝について知れたのもよかった。バイキング、マジャール人、イスラムの襲撃により、ローマ時代からの写本の多くは灰燼に帰した。また、その頃より、「写本」にあまり重点が置かれなくなる。カロリングルネサンスの後なんだな「暗黒の中世」。聖堂参事会など、普通に歴史書に書かれている言葉、組織の発祥もわかる。2019/06/03

シルク

16
なんかこの人の文章、読むのが心地よい。淡々と、淡々と。「ル・マン」だの「ベネディクト戒律」だの「聖スコラスティカ」だの、自分には馴染みの無いカタカナ語満載で頭ポワ~ンとなったりもするのだけど、それさえも眠りに入る直前の気持ち良いウトウト状態に近い。昔能楽やっていた時、老先生が語ってくれたことがある。「わしらの舞台を観に来てくれてな、お客さんらがうとうと寝てたら大成功なんや」……先生のお家の能楽堂は、京都烏丸。戦争で取り壊し予定になったけど、工事予定日が敗戦日で、危うく難を免れたという古い木造の建物。2018/06/05

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