山と溪谷社<br> ヤマケイ文庫 おらが村

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山と溪谷社
ヤマケイ文庫 おらが村

  • 著者名:矢口高雄
  • 価格 ¥1,408(本体¥1,280)
  • 山と溪谷社(2019/06発売)
  • ポイント 12pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784635048644

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内容説明

漫画家矢口高雄の隠れた名作、堂々の復刊!
令和の時代にこそ読み返したい「昭和」の貴重な物語。
802ページの大ボリューム。

東北は秋田、奥羽の山懐に包まれ、半年は雪の下に埋もれる厳しい自然、それが“おらが村”。
寂寥、倦怠、不安、欲望、喧騒、期待、そして夢とないまぜのなかで過ごす村人たち。

ゆかいな高山一家を中心に、彩り鮮やかな四季を通して矢口高雄の精緻なタッチが描く極上のヒューマンドラマ。

遠く忘れさられていく昭和時代の貴重な記録集。

【内容】
囲炉裏の章 横座/狐棲む里/ /師走/寒春/福寿草の香/
メメンコ/蕗のとう こぶしの章 儀衛門のクマ/カタゴの花筵/
テル坊主の池/つばくろ/ヒデコ/雨あがり 桑の実の章 ホトトギス/
忘憂草/UFO飛来/はたおり 嫁ききんの章 律子/十三夜/渋柿/
末枯れ/神無月/忍華/白春/ふきどり/せせらぎ/土橋/帰去来/
春宵 段落の章 廻春

経済活動・開発・天災・人災による環境変化から現代人は逃れられない。
だが、「日本人として決して忘れてはいけないもの」を矢口先生は僕らに教えてくれる。――宮沢和史

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

たまきら

26
著者のふるさとが描かれています。子供の頃ワクワクしながら読んだ釣りキチ三平。自分が東北地方に無条件な愛を感じるのも、あの頃があるからなのかもしれません。村はユートピアではありません。数々の問題を抱え、著者ですらこのお話で出てくる長男坊の恋愛をどうおさめるかで苦労したようです。けれども、笑いに満ち、おおらかなお父さんとどっしりしたお母さんがいるあたたかな家が、子供たちを支える姿がとても素敵でした。いま、秋田の豪雪地帯はどんな風景なんでしょうね。…面白かったけど、この人恋バナ書くべきじゃな~い。2020/01/23

roatsu

25
本当に良い作品が復刊されたと思う。矢口先生の真骨頂たる堂々たる大作。素朴だが豊かで瑞々しい往時の山里の暮らしと、そこに生きる人々の心模様を封じ込めたが如き豊潤で、そして悲しくもある物語。読んでいて涙が流れる。令和の時代にこそ日本人が20世紀後半からの狂騒の歩みの中で何を喪失してきたのか、真剣に問い直すべきだろう。自由の代償で脆弱な個人へと孤立化が進み、不安定な存立基盤に慄く一方で、同じ命を持つ他人に対し無関心となり残忍な凶行すら平然と起こせる者が後を絶たなくなった今の日本の荒んだ世相にしみじみと思う。2019/07/20

森林・米・畑

21
秋田の豪雪地帯、山奥の村のお話。こういう田舎には憧れさえする。しかし、住んでみないと分からない仲間意識や閉塞感があり、表面上見えない難しさもあると思う。高度経済成長期の東北の農村問題をある一家を通して表現。豪雪地帯の四季の移ろいを味わいながら悲しみも喜びも笑いも感じられる暖かい作品。絵が素晴らしい。2022/01/12

Bo-he-mian

13
作者の矢口高雄はあとがきで「これは昭和30年代(1950年代後半)のドラマである」と書いているが、昭和を知らない人は言葉通りに受け取ってしまうと思うので補足すると、実際の舞台となっている年代は、明らかに本作が描かれた1970年代前半だ。高度経済成長や過度な資本主義、都会中心の価値観への批判や、何よりも「ディスカバー・ジャパン」という言葉が出てくる事からも分かる。「昭和30年代」というのは、農村での生活形態を、敢えて作者が少年だった頃のもので描いている、つまり「漫画のウソ」を交えた描写だという意味である。2025/08/22

剛腕伝説

10
著者自身の故郷をモデルにした、秋田県の限界集落の日常を描いた作品。東北地方の季節のうつろいや、農作業従事者の苦労、嫁不足等々。流石に動植物の描写が上手い。2024/09/12

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