内容説明
麻呂じゃない! 蹴鞠だけじゃない!
軍事・内政に手腕を発揮!今川家に興隆をもたらした!
桶狭間の戦いで織田信長に敗れた武将。
戦乱の世に公家文化に傾注して取り残された人物。
今川義元に対する評価はこうしたものが多かった。
敗者の歴史である。
しかし近年再考証が盛んに行われていく中で、武田・北条・今川の三国同盟や、
内政手腕、今川家の領地を最大にした戦上手と、見えてくる姿は決して愚将のそれではない。
いま最も注目を集める武将の真の姿をダイナミックに描き出す!
目次
第1章 駿河の兵
第2章 刃なき戦場
第3章 弓取りのいくさ
第4章 脇差を抜け
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ほうすう
13
花倉の乱から桶狭間まで、戦国大名・今川義元の生涯を描く。面白かったのだが後半の桶狭間パートは主役が信長になってしまったのかしらと思うほど織田側からの視点が多い。奇襲された側の視点で描くと何が何だか分からぬうちに終わってしまうからだろうか。もう少し義元の視点の桶狭間を見たかったという気持ちはある。他の人の感想にもあったが、作中の武田晴信から見た長尾景虎への気持ちで「変なのにからまれちゃったなあ」というぼやきはちょっと笑ってしまった。2022/08/19
ゴールデンボート
0
とてもよい本ですよ2021/01/27
たかむら
0
昨今の風潮に合わせた、ただ無能な公家っぽい感じの義元ではなく、武士としての義元を描いている。 還俗して武将として生きていくという意味では足利義昭と対比して読むのも面白いかもしれない。還俗した立場だったからこそ武士として生きようとしたという視点も面白い。 義元の武士としての視点からのためか、武将としてでなく政治家(領主)としての視点も読みたかったとも思う。領国統治のための施策やその苦労に着目するのもまた違った義元が描けるのではないか。 普段描かれる織田、豊臣、徳川視点ではない義元像を楽しめる一冊だった。2020/11/08