内容説明
農業高校を出たが、田舎から飛び出し、
東京で暮らすも挫折し、戻ってきていた小原和也。
彼はバイト先で知り合った
有機農業を始めたばかりの木村春菜を
手伝うことに。
しかし、素人同然の彼女と和也には、
なかなかうまく育てることが出来ない。
そんなとき、人づてに紹介された
仙人とよばれる男の指導を仰ぐことに……。
同じ頃、村では、農業生産法人の部長で、
村中で美人と評判の上田理保子が、
近代農業で大沼村を再生させようとしていた。
だが、慣行農業が主流の大沼村の中で、
ゆきづまりを感じていた。
近代農業と古き良き農業、共存共栄への道とは? 著者渾身の長編小説。
<目次>
第一章 それぞれの進む道
第二章 近代農業VS.有機農業
第三章 未来農家
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しろいるか
32
喧嘩っ早いが気のいい和也はバイト先で知り合った有機農業の初心者・春菜の畑で働くことになった。彼らが住む大沼村は昔ながらの農業を行っているが、農業生産法人アグリコジャパンの部長・理保子が先行き不透明な農業を大きく改革しようとしていた。有機農業VS農薬たっぷり慣行農業、和也と春菜が失敗しつつ学びながら有機農業を進める様がいい。時々出る益子ばあちゃんの金言も刺さる。「有機農法は野菜に寄り添い生育するのを助ける農法」できた野菜は衝撃を受けるほど味が違うのか。有機=高価という印象だったが1度食べてみたいものだ2021/02/14
ジュール リブレ
30
黒野伸一さんは、過疎地域の再生をテーマに作を重ねてきて、ずいぶんこなれてきたようである。本作も設定は同様だけれど、大企業の利益重視の視点と、農家の抱える問題を表裏に、有機農業も絡めた美味しそうな作りを楽しませていただきました。2019/07/27
きあら
23
亡くなった夫の遺志で有機農業の始めた春菜。農業生産法人に左遷されながらも効率化を目指す理保子。降って沸いたキナ臭い農地改良の公共事業によって、農業に行き詰まりを感じている農家はどうなるのか。読み始めて、読んだ事ある話だなあと思ったら、「となりの革命農家」の改題だった😱 それでも再読として楽しめました。2021/01/22
hiyu
11
有機農業と慣行農法の対比を交えて話が進んでいた。いずれの優劣を決める立場にはないが、やはり農業行政への在り方という点から見れば問題定義としては納得できる。ストーリー的にはもう少し収まりがついてくれれば。2019/08/18
貴史
8
有機野菜を育てる春菜の奮闘記と思いきや、思った以上に激しい内容でした。アグリコジャパンのブラックさや、更には悪徳議員やヤクザくずれまで出てきて意外とエキサイト。結果としてはハッピーエンドに終わりそうで何よりでしたが…。とてもハートフルな小説でした。2025/04/17
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