内容説明
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Denkt deutsch! ドイツ式に考えよ。
『関口存男著作集』より、日本語からドイツ語への翻訳に関する、漫談形式の記事を選んで一冊にまとめました。
皮肉屋でクセが強いけれどもユーモアたっぷりの「先生」と、和文独訳の難問にくらいついていく「生徒」たちとの丁々発止のやりとり、
「大先生」と「小先生」との会話など、教室での様子を髣髴させる文章は、演劇に造詣の深い著者ならではです。
楽しい読み物としての側面もさることながら、外国語で表現するにはどうすればよいのか、そもそも外国語に移すとはどういうことなのか、
ドイツ語界の泰斗、関口存男の言語観や人間観をも垣間見ることのできる一冊です。
ドイツ語がわかり始めた方にはもちろん、長くドイツ語に取り組んでいる方にとっても多くの発見があるのではないでしょうか。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
麺
1
和文独訳漫談(和文独訳漫談というジャンル名からもう面白い)を、ドイツ語学者関口存男の全集から再録したもの。戦前の先生と学生が独訳のコツやドイツ語の細かいルールをあれこれと言い合う話が複数のテーマで収録されており、ドイツ語を学習したことのある人間ならニヤニヤしながら気軽に(長めのドイツ語が出てくるところはちょっと集中して)読める内容となっている。辛辣で率直な掛け合いの雰囲気とテンポ、それに時代の空気が感じられるところも良い。2021/07/21
garyou
1
ゲーテのことばに「Wer fremde Sprachen nicht kennt, weiß nichts von seiner eigenen. 」というのがある。「外国語を知らぬ者は母国語についても何も知らない」という意味だそうで、この本を読むと「そういうことなのか!」と合点がいく。日本語をそのまま訳すのではなくドイツ語にしやすいように云い変えてから訳す。そのためにはドイツ語として自然な表現を知らねばならぬし、日本語の特徴も知る必要がある。ドイツ語の部分が多いけれど、他の言語にも通じることが多い。2020/01/04