- ホーム
- > 電子書籍
- > ビジネス・経営・経済
内容説明
エドガー・アラン・ポーを師に「統計探偵」が真実に迫る!
統計データが浮かび上がらせる日本社会のナゾと不思議。統計データは人々の認識のズレや固定観念の落とし穴も明らかにする。
日本の女性はなぜ、どんどんキレイになっているのか? 貧しい時代の代名詞、「エンゲル係数」はなぜいま上昇? 「日本階級社会化」説はなぜ間違いなのか?――などなど、統計探偵が日本社会の変化を統計データをもとに明らかにする。
統計リテラシーがグッと上がる21のエピソード。思いがけない日本社会の本当の姿が浮かび上がってくる知的エンターテインメント。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
38
データってそんなに自分の都合で読み解いていいもんかしら、と先日読んだ本のせいでイライラしていたので、直後にこの本が読めて良かったです。データの読み解きをエドガー・アラン・ポーとともに見つめる推理仕立てなのが面白いです。観察と推測は的確でありながらも流動的。うん、こういうデータの読み解き方が自分は好きです。…ただ、ジニ係数にはいまだに納得がいかないんです。なんでだろう。もう少し考えをまとめていこう。2024/04/01
おさむ
38
題名に象徴されるようにテーマ設定が面白い。「統計探偵」の著者がさまざまな統計データを分析し、巷に蔓延する誤解を修正していく。治安の悪化、貯蓄の減少、階級社会‥。興味深かったのは、生活満足度が低いのは日本に限らず東アジア共通で、儒教的な文化から、どんなに生活が良くなっても現状をネガティブに判断して改善に向けて歩みを怠ってはならないと考えがちだからという分析。一方で女性が圧倒的に男性より満足度が高いのは儒教的な道徳観からかなり開放された為という。たしかにMETOO運動もアジアで広がるなど意識も変わってますね。2020/10/02
hk
24
「日本の年功序列賃金体系は、世代間所得格差の拡大バイアスとなっていた。小泉改革によって日本型経営慣行が解体方向にむかい、世代間所得格差に是正バイアスがかかっている」 この知見が最大の収穫だ。確かに年功序列賃金は世代間に所得格差をもたらす。言われてみれば何故今まで気付かなかったのだろうといった類いの論法だ。だがこうした盲点(ニッチ)になる教養の積み重ねこそが大事をなすための糧…だと思う…。 それにしても年功序列賃金による世代間所得格差拡大バイアスがかかる中、一億総中流という物語を流行らせた自民党政権は敏腕だ2019/10/10
べる
21
統計データ分析家によりデータから推理ドラマの刑事のように現代日本社会の真相を究明する。表題の男子の草食化がたんぱく質の摂取量減少と関係があるとは驚き。精神状態の良好度が高い九州や沖縄は、たんぱく質摂取量と出生率が高い。少子化対策はまさかのお肉食べよう政策が有効か。日本の中高年女性が身の回りの用事に時間をかけ、美を磨いて綺麗な人が増えていることも納得。平均寿命が年々延びていることで死生観は大きく変化しているだろう。『方丈記』に記された無常観を身をもって感じることは難しい。データの裏側を考える楽しさも学んだ。2022/09/23
ochatomo
20
初出ダイヤモンド・オンライン2016~18年 表題について『栄養上の変化が精神面に影響を与えた』可能性を解く その他“日本の女性はなぜ、どんどんキレイになっているのか?”“日本の治安は世界最高レベルなのに、なぜ、実感できないのか?”等、長いスパンを見渡すことや業務統計と調査統計の違い等解説で学びつつ、『新時代の観察手段』として楽しめる この後偶然「ファクトフルネス」を読んだが、共通する視点があってよかった 2019刊2020/03/22