内容説明
大和八郎少年、コードネームは〈本部X13〉。彼に下された指令は、上海郊外の米軍秘密要塞の発見・爆破であった。X13号は三つの特殊兵器を携えて単身川辺の湿原地帯に降り立つ……(表題作)。海軍少年特務員東忠三が、満洲の北方、ケルレン王国の再興に孤軍奮闘する「血史ケルレン城」等、冒険小説・スパイ小説の傑作を八編収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マムみかん(*ほぼ一言感想*)
36
少年向け冒険小説集なんて書いてあるから、少年探偵団シリーズみたいなのを想像していました…。 いやいや、今現在コレを読むのはキツいわ~。 当時の少年少女は、こういうので洗脳されていったのかなと怖ろしくなりました。“日本凄い!!!”が鬱陶しい(笑)。 ただ戦争画と同じく、歴史的な文学価値はあると思います。 興味のある方は是非~~☆2019/07/16
りんご
10
1930年代に書かれた国策小説と言ってよいものです。周五郎さんもこういうものを書かなければいけない時代に生きていたのですね2022/08/03
パンチ
4
これはちょっとダメだった。最後まで読み進めるのは困難だった。個人的に読めたものではないレベル。書かれた時代を考えると納得の内容ではある。2020/12/17
barcarola
3
冒険小説というよりは、えーと、何と申しましょうか……。まぁ、そういう時代だったということで。2020/01/02
ヨコケイ
3
国威発揚目的の外地が舞台のスパイ物。大木毅『独ソ戦』を読むと、つくづくナチス・ドイツにとっての東方植民地帝国と、日本にとっての満洲・朝鮮・台湾etcは相似だなと改めて思う。即ち人種主義と収奪戦争のコンボ。アジア諸国の解放等という御題目がある分、日本の方がより悪質。本書で活躍する少年少女たちはその尖兵であり、〈白人の暴虐〉をdisる割りには、彼らが〈好敵手〉と認める相手がみな白人という卑屈な〈名誉白人〉ぶりが痛々しい。掉尾の小品に味がある。しかしよその国に押し掛けちゃぁ、人を殺しまくる少年…日本スゴイ(棒。2019/09/12