内容説明
この国に、戦前がひたひたと迫っていることは確かだろう――脳梗塞で倒れながらもいくつもの連載を持ち、作家として書き続けた12年。酒も煙草もやらずに過ごすリハビリの日々、混迷する現代社会への警鐘、自らの複雑な生い立ち、そして「火垂るの墓」にも描かれた敗戦前後の悲惨な体験。急逝するわずか数時間前まで書き続けた日記に、揺れ動く時代を浮き彫りにした最晩年のエッセイを収録。(解説・野坂暘子)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
57
作家晩年の記録。なんだけどそれ以上でもそれ以下でも無かった。書かれている事といったら日常の事や戦争の記憶。はまだいいとして農本主義みたいな事言いだしたり、現在の日本への不満やら最近の若い者はという愚痴ばかりが目立つ。その不満も何というかマスコミ的で底が浅いのである。かつて「骨餓身峠死人葛」に腰抜かすほどの衝撃を受け、「垂乳根心中」や「死屍河原水子草」を夢中で読んだ身として、これを読むのは苦痛。全体的にそこらの老人が書いてるブログみたいに思えて…。麒麟も老いては~という諺を思い出し、思わず悲しくなってくる。2019/07/20
ジャズクラ本
10
◎元来、野坂は(戦争モノと食を除いて)有り難がって読むようなシロモノではないと思っていた。野坂が昭和5年生まれ。死んだ親父は昭和9年生まれ。タイプの違う男だったが、この本を読んでいる間中、しきりに親父の影がちらついたのはどうした訳か?昭和一桁に育てられた性のようなものかもしれない。今、野坂のような作家はどこにも見当たらない。有り難がって読むようなものではないハズなのに、この600ページが有り難くて仕方がなかった。今更ながら往時の文壇を沸かせた彼の死がどうにも惜しい。2019/08/28
都人
1
良くこんな本出版したな。大部分が死亡するまでの日記なのだが、書かれている事が殆ど同じ。朝は何食べた、飼い猫の状態はこうだ。終戦直後は食べるものが無った。学生時代は学校へ行かず、酒ばかり飲んでいた。人に買ってもらう本では無いな。 2019/01/23
lovejoy
0
★2024/02/09
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