内容説明
日本のみならず、世界から注目される演劇ユニットQを主宰する劇作家・市原佐都子の初作品集。「悲劇喜劇」誌に掲載され話題となった中篇小説「マミトの天使」に加えて、人の自意識と身体性にまつわる懊悩と希望を描いた「虫」と「地底妖精」の3篇を収録する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タンシロ📚
6
表題、主人公女性の大人になった現在と小学校思春期の回想を軸に女の子のえげつない神秘をみせられる。と同時に、ただ生きてるだけの毎日を彩る小さく静かで薄暗く黴臭く感じる生活が、読む人にどう映るのか。それは読む人次第かな。俺は後半しんどかった。2024/01/31
pinoko
5
初めて読む作家さん。 読み終わった、というよりも読んでしまった、という気持ちの方が強い。これからの作品も気になる。2019/07/22
渡邊利道
3
劇作家の第一短編集。とにかく排泄・分泌物系の記述が多くて大変汚い感満載。また登場人物がどいうにもこうにも嫌なやつらばっかりで嫌悪感が半端ない。語り手の私と世界がじんわりと相互浸透して世界そのものが妄想と化していくような閉塞的な三つの物語。ちょっとこのどこにも行き着かない感じは辛い。2019/07/14
うたかた
2
震えた。また新しい書き手を見つけてしまった、という感じ。最高に面白かった。2019/06/16
二瓶くん
0
一言で、読むことが経験のような作品です。とてもじゃないが、とんでもないくらいの狂気を内包しています。衝撃の言葉が似合う。人間が日常的に触れない部分を主題にした作品群は、天久聖一を初めて読んだときのことを思い出しました。 我々人間が自然にしていることを疑い、それを肯定したり多くは否定したり。 読んでみると社会性を大きく失いますが、自分の眠っていた感性が大きく目覚める可能性がある、というのは確かだと思います。作者はとても素直な方なのだと思います。 言葉遊び多めの神様が好きそうな倫理破壊の本という感じ。2023/09/17