内容説明
人気女性作家・倉沢みちるは新作を書き上げた。葉山の古い小さな家に一人で。みちるが作家デビューを果たしたのは5年前の秋だった。高3の初夏、みちるは中学のときの同級生・蓮見優斗と海で偶然に出会った。優斗は葉山の老舗「蓮見ホテル」の御曹司。男女を問わず人気があり、地味なみちるには雲の上の存在だった。だが、海辺の出会いが二人を結び付け、交際を始めた。ところが喜びも束の間、いっしょに行くはずだった花火大会で行き違いになり、直後に優斗はアメリカに留学。会えないまま二人は別れを迎えた。その秋、信じられないような出来事が起きた。妹に誘われて応募した作品が「小説オリオン」の新人賞で大賞を受賞したのだ。優斗と過ごした2ヵ月間に夢中で書いた、初恋を描いた青春小説だった。「現役高校生作家」として脚光を浴びたみちるは、やがて分不相応な収入を得るようになる。だがそれは、家族がバラバラになっていくきっかけでもあった。父は家業のパン屋を閉めてイタリアンレストランを経営。母は高級エステに通い宝飾品を身に纏うようになった。妹とも決定的な亀裂が生じ彼女は家を飛び出していた。そして、みちるは日本に帰国した優斗と再会する。5年の月日を経て、蓮見ホテルで。人生の変転が、また始まろうとしていた……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hachi_bee
6
書誌的には771ページの大作。ですが、すぐに引き込まれ一気に読了しました。折原作品には悪人は出てこないので安心して読むことができましたが、それでも「例外か?」とドキドキする場面がいくつか。ジェットコースターに乗せられたような展開。作者と登場人物を重ねてしまい、小説ではなくノンフィクションではないかと思ってしまうことも。逗子・葉山に遊びに行きたいです。舞台のホテルは現実には存在せず、森戸のデニーズも既になく、小説とは関係ないけれど渚橋のデニーズもなくなっちゃっているので、聖地巡りができないのは残念。2019/06/27
TAKU Yamamoto
4
みんなはどう思うかわかんないけど、なんか泣いちゃった。
バーベナ
2
最初はみちるの生き方がちょっと腑に落ちなくて、好きでなかったのに、終盤は手に汗握る気持ちで読み切ってしまった。読んでいる間は、葉山の潮風を想像しつつ、素敵な時間でした。たまには、びゅあな純愛小説もいいな。2020/09/06
さくら★もち
2
どうしようもなく相手を求める純粋な想い、巻き起こる波瀾万丈な出来事、そして置かれている立場や境遇への適応。その中で、みちるの少女から大人への心の成長、現実に向き合い強く生きる姿が印象的でした。折原先生の描く物語はキラキラしていて、10代の頃から小説も漫画も大好きでした。本作はその余韻も残しつつ、人間の純粋さと汚い部分の感情描写が胸を締め付ける、大人な作品でした。2019/07/15
こばゆみ
1
作中の語り手がくるくる変わったり、昼ドラかっ!?ってくらい主人公に不幸が襲いかかってくるので、約800ページを抵抗なく読み進められた。けれども妙に白けた気分で読んでいたのはきっと、主人公に欠点が無さ過ぎるのが原因な気がする、、、笑ってしまうくらい悲劇のヒロインだったな、、、(^_^;)2019/07/28
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