内容説明
法廷画家が描いたその絵は危険すぎる――。
美人被告人は残忍な殺人鬼か、それとも聖女なのか?
漫画家になりそこね、路上で似顔絵を描いて生計をたてていた袴田鉄雄。
ある日、テレビ局からの急な依頼を受け、連続殺人事件裁判の「法廷画」を描くことに。
注文通り仕上げた絵が無事に放送に使われた直後、何者かに襲われて怪我を負う。
鉄雄の絵には一体なにが描かれていたのだろうか?
容疑者の美人被告人は残忍な殺人鬼なのか、それとも聖女なのか?
頭の回転の速い姪っ子、警察官、テレビ局、それぞれの思惑と発言が絡み合い、裁判の展開は意外な方向へ。
予測不能、驚愕の法廷サスペンス。
解説・北尾トロ
※この電子書籍は2016年8月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
森オサム
67
主人公は、漫画家を目指すものの挫折し、似顔絵描きなどして小金を稼ぐ日々。ひょんなきっかけで「法廷画」を書く事になるが、直後に命を狙われる事に。序盤は良かった。何が何だか分からない中更なる事件が起き、サスペンスとして牽引力が有ったと思う。しかし途中からは、フラグが立つと想定される方向へ向かう感じで、ラストの山場までやや凡庸な展開で緊張感に欠けて終わった印象。メインの謎も分かった様な分からない様なオチで、ミステリーとしても微妙な出来かと。「法廷画家」のお仕事小説としては興味深く、そこは面白かったですけどね。2019/12/13
三代目けんこと
65
サクサク読めておもしろいけど、自分の中で『殺戮にいたる病』の衝撃を求めてしまう気持ちがあって、物足りなさを感じてしまう…。2020/09/17
JILLmama
45
法廷画にスポットを当てたサスペンス。 珍しい〜って気になり一気読み。 主人公や、主人公の中学生の姪っ子などなど登場人物のノリが割と軽めで、裁判や殺人事件の話も何となく軽く感じてしまった。重くないサスペンスとしてオススメ。2019/07/12
のんちゃん
44
漫画家で長い間行き詰まって、時折似顔絵描きをして小遣い稼ぎをしている、実家に居候状態の鉄雄。彼にひょんな事から法廷画の仕事が舞い込んだ。扱う事件は極上の美人が容疑者の殺人事件。鉄雄が描いた法廷画がテレビで放送された後、彼は何者かに襲われる。彼の法廷画には、何やら危険なものが描かれていたのか?う〜ん、最後までノンストップで引き込まれたのですがねぇ、結末がどうもストンと腑に落ちないというか。もう一作、この作家さんの別作品を読んでから、この作品も私なりに評価してみたいと思います。2019/07/16
carl
39
法廷画家を主人公にしたミステリーってなんか面白そうで惹かれた。ひょんなことから(たいがいそうだけど)法廷画家になった男性と姪が中心だけど、この姪がウザいと思っていたが結構いい感じなキャラで登場人物皆さんオッケーでした。ただ最後がチョイ説得力に欠ける感じだった。挿絵一枚で良いから最後に欲しかった、そうじゃないと裁く眼がどんなんだかスッキリわからないなぁ2019/08/09




