内容説明
「普遍」を標榜する神と金と革命思想は理想を追求する過程で共闘と排斥を繰り返した。壮大な歴史から3すくみのメカニズムを解明する
第一章 キリスト教の神と金
一 自然法思想と神
二 神から金へ
コラム この世の富の意味
第二章 神と革命
一 ロシア革命とキリスト教
二 ラテン・アメリカでの共闘
三 ヨーロッパの場合
四 神の生き延び方
コラム 革命から神へそして金へ
第三章 三位一体
一 シャルル・ペギー
二 エリック・サティ
三 岡本公三の場合
四 ガイヨー司教
第四章 近代日本の革命とキリスト教
一 近代日本とキリスト教
二 近代日本と社会主義
三 明治日本と信教の自由
コラム 日本的無宗教の裏事情
第五章 東アジアの神と革命
一 孔教論争
二 朝鮮半島と孔教
終章 仮置きの神
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スプリント
6
東アジアでのキリスト教の普及の過程が詳しく書かれており印象に残りました。特に儒教との関係と、共産主義との関係については知らないことが多く勉強になりました。2018/10/08
takao
2
ふむ2023/02/11
渓流
0
ミスリードさせる翻訳タイトルである。原題の「近代権力の起源と虚構」がひったりの内容。確かに神と金と革命が作った世界ではあるが、終章で筆者が吐露しているように「過去に分断されていた様々な文化圏が望むと望まざるとにかかわらず互いに浸透しあいながら共存する現代社会において、個人や共同体の生き方と普遍的な思想を両立させようと決意した人々や思想の潮流を紹介した」内容である。カトリック史研究家としての思いが詰まった本であり、思弁的な内容であったが面白く読めた。2018/12/05