ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと

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ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと

  • 著者名:奥野克巳【著】
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 亜紀書房(2019/05発売)
  • ポイント 18pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784750515328

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内容説明

ボルネオ島の狩猟採集民「プナン」とのフィールドワークから見えてきたこと。豊かさ、自由、幸せとは何かを根っこから問い直す、刺激に満ちた人類学エッセイ!

「奥野さんは長期間、継続的にプナン人と交流してきた。そこで知り得たプナン人の人生哲学や世界観は奥野さんに多くの刺激と気づきをもたらした。この書を読み、生産、消費、効率至上主義の世界で疲弊した私は驚嘆し、覚醒し、生きることを根本から考えなおす契機を貰った。」
――関野吉晴氏(グレートジャーニー)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mae.dat

240
飢餓を恐れるホモサピエンスは、農業革命を皮切りに科学文明と貨幣経済を生み出しました。若しそれが起こらなかった時の答えの一つ。常識を大きく揺さ振る狩猟採集民の社会。恐らく森の豊かな恵みがあるからこそ成り立つのだと予想しますが。競争が無く、貧富の差や心の風邪が起こり得ない社会構造。現在ストレス等を抱えている人でも、この社会ならそんな問題は生じない筈。しかしこの社会に、ニュートンやガロアやノイマンetc. が生まれたとしても見過ごされるのでしょうね。善し悪しの問題では無いと思う。もっと書きたいけど紙幅が無いよ。2022/11/29

やも

80
プナンの人々は反省という概念がない=善悪の概念がない?/個人の反省の代わりに集落でこれからどうするを話す/ありがとうに担当する言い方として「良い心」/生年月日を意識しない時間の流れ/貸し借りの概念がない/死も当たり前のこととして恐れていない。/日本で生きてきて培ってしまった【当たり前】とは違う価値観ばかりで、途中難しくて理解が追いつかない箇所もあったが、興味深く読んだ。プナンの人々には自死やストレスが少ないとのこと。全ては無理でも、ストレスを感じてる人には何かしらヒントになることが書かれていると思う。2023/02/21

舟江

53
ボルネオの狩猟採集民「プナン」と現代の文明人の比較論。価値観が余りにも違い過ぎ、脳みそをかき混ぜられたようだった。人類の歴史的な部分もあり、楽しめた。2019/01/04

tamami

51
前回取り上げた奥野先生の『絡まり合う生命』が「人間を越えた人類学」の理論書であるとすれば、本書は研究初期、ボルネオ島の狩猟採取民プナンとの長期滞在生活による研究の成果ということができるだろうか。感謝や反省の言葉もなく時間の概念も乏しい、我々現代人とは全く違った世界観の元に生きているプナンの人々。そんな人々との生活を通して、見えてきた現代文明に対するアンチテーゼともいうべき彼らの生き方や、プナンの人々と様々な自然との関わり方に対する新しい見方は、現代文明世界に首まで浸かっている我々に大胆な思考の転換を迫る。2022/03/12

翔亀

47
【シリーズ森6】舞台はボルネオのフタバガキ林。熱帯雨林である。ここに暮らす狩猟採集民ブナンが主人公だ。人口1万人ほどのブナンはレヴィ=ストロースなど多くの人類学者による報告があるようだが、本書は著者が1年間の研究休暇で暮らした記録。学術論文ではなくブナンに接して触発された日本社会への違和感を綴ったもので、かえって文化人類学の入門編として読みやすい。 ■現代において国家と無縁の狩猟採集民はほとんどいないだろう。ブナンもマレーシア政府から移住させられ、小学校がある。熱帯雨林は伐採され油ヤシのプランテーション↓2021/01/02

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