内容説明
『亡くなった家族ともう一度暮らせるとしたら何をしますか?』
「家族レンタルサービス」がはじまった。亡くなった家族の情報を提供することで、それをAIが読み取り、性格までそっくりな人間をレンタルすることができるというサービスだ。夫婦、子供、きょうだい、親……。サービス利用者は、亡くなったはずの家族ともう一度暮らしながら「遺された大切なもの」に気付いていく。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
相田うえお
100
★★☆☆☆20117【レンタル家族 (松本 健太郎さん)】増加傾向にある自殺願望者救済と大切な人を亡くした遺族のメンタルケアを結び付けたレンタル家族サービスプロジェクトが発足。試験段階としてモニターを募集した。自殺願望者脳内にAIチップを埋め込んで過去の記憶消去及び故人情報書込み,整形による容姿コピーを施し、大切な人を亡くした遺族のもとに人材レンタル。。。わおぅ!凄い発想!でもね、そんなSFチックな小細工ネタなんかを取り入れなくても家族小説として十分に成り立つ章立て短編集でした。(長編で読みたかったかな)2020/11/13
dr2006
42
レンタル家族とは亡くなった家族ともう一度暮らせるというサービスだ。酷似した人が遺族の元に派遣されるが、亡くなった家族の情報(容姿習慣性格)がどうやってコピーされ再現されているのだろか?この作品はそこを追求していないのでSFではない(笑)改めて叶えられなかった夢や精算出来なかった蟠りを解く機会を得た時、家族はどう振る舞うのか。大切な人が本当に亡くなったと認め、想うことで心の中に在ることを受け入れるはずだ。ちなみに自分は完コピーされていてもその人を受け入れられないと思う。不気味の谷が超えられそうにないからだ。2020/07/23
のんちゃん
31
政府が自殺志願者を募り、脳内にある故人の情報のAIチップを埋め整形を施し、その故人にそっくりな人を作り出し、その遺族にレンタルするシステムを考え出した。そのシステムを利用した5つの家族の物語。作者の前職は葬儀屋さんとの事で沢山の死別を見てきたのだろう、その経験は作品に詰まっていたが、近未来のこの様な仕組みを作品にしている桂望実先生や垣谷美雨先生に比べるとシステムの作り等の点で無理がある様に感じられ、今一つの感。だが遺族が故人とのもう一度の生活の中で、各々大切な事を見つける様は、題材が題材だけに泣けた。2021/10/28
NOIR
31
5回泣いて、最終章ボロ泣きでした。亡くなった家族の容姿や記憶、そのままの人物が派遣される「家族レンタルサービス」の短編5話。"本人が帰って来る訳では無い"この制度は残酷にも感じたけれど、突然の死別に喪失感を抱える遺された家族のこれからの一歩を後押ししてくれる。生きていれば過ごせるはずだった家族の時間が温かいからこそ亡くなった事実が浮き彫りになって、描かれる家族愛と故人の想い、残した物が切な過ぎて涙が止まらなかった。細部までは語られなかったサービスの詳細を知りたいなぁ。ペットも家族と見なすなら、応募したい。2019/04/11
shi-
18
初めて読む作家さん。亡くなった家族の容姿そっくり、記憶や性格そのままの人が派遣されてくるという、家族レンタルサービス。とても複雑な気持ち、そしてウルウルと読んだ。サービスについては謎な部分も残り、疑問点もそのままだからこそ、このお話は良かったのかもしれない。 家族が亡くなり、喪失感いっぱいの中、故人そっくりな人をレンタルし、気づけなかったこと、思い残したこと、やり残した事、家族がレンタルしたことにより、暖かい気持ちになり前向きになれたら、素晴らしい事だよなぁ。 自分だったらどうだろ?2019/05/06
-
- 電子書籍
- 愛鍵 モバMAN
-
- 電子書籍
- サーカスの夜に(新潮文庫) 新潮文庫
-
- 電子書籍
- 演習で学ぶ機械力学 〈第3版〉
-
- 電子書籍
- わたるがぴゅん! 7 ジャンプコミック…
-
- 電子書籍
- アフタヌーン 2016年8月号 [20…