内容説明
経営戦略には孫子、クラウゼウィッツなど様々な軍事戦略家の考えが応用されているが、本当に理解されているのか? 古今東西の軍事戦略の名著を精選し、そのエッセンスをわかりやすく解説する待望の軍事戦略ガイド。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
白義
14
クラウゼヴィッツをひとつの中心に古今東西の戦争論を紹介。ガイド本としては類書が少なく、一線級の研究者が執筆しているだけあって、さらりと触れているだけながら的確にして要を抑えた項目が多い。トルストイや三国志まで紹介される目配りの広さ、クラウゼヴィッツ的なテーゼとそれへの反論、補強という大まかな現代戦略思想史の見取り図と、一冊だけでも次の道標足りうる好著である。キーガンやクレフェルトなど邦訳のある最近のものが特に嬉しい。石津氏の関わった本は外れがない2013/04/13
壱萬参仟縁
13
評者はクラウゼヴィッツ、孫子ぐらいしか知らない。全部で50冊紹介されている。マキャベリ『君主論』は、人間の強さ、弱さ、性格を解説するが、その本質は時代が変わっても同じとのこと(61頁)。キーガン『戦略の歴史』は、文化的営みとしての戦争(220頁)。この表現は違和感を覚える。平和の文化を目指すべきであるので。広義の文化という捉え方とはいえ、腑に落ちない。戦争は人間が亡くなるものである。これは必然なのか。恣意的なものであり、天災ではない。人工のもので優劣を決めることがいかに愚かなことなのか。歴史を見なければ。2013/05/07
Saiid al-Halawi
10
読んでてよかったクラウセヴィッツとジョミニ。本書のラインナップを見ても、やっぱり巨視的な考察である以上は軍事と政治は不可分なんだと思う。現代的な核戦略論にしたって、ちゃんと近代以降の思想上の系譜から辿れるってのがわりとよく分かる一冊だと思う。2012/03/16
モモのすけ
9
読んでみるかな、こういう古典も。「クラウゼヴィッツの『戦争論』は、今日においても戦略や戦争を研究するうえで、大きな影響を及ぼし続けているのである」2013/06/30
Ryo
7
50冊の戦争論に関する本をピックアップ。 時系列に並べ、それぞれの主旨と何故名著なのかを説明する。 この時系列って言うところが秀逸。 順を追って追いかけるだけで戦争というものがどの様に変化してきたのかということを俯瞰して捉えることが出来る。 長い時間を通し、核が生まれた結果、結局より広い視野で戦いを捉えざるを得ず、「戦わずして勝つ」ことがより重要になって来ている印象。 この本を読んで、孫氏の名著ぶりを痛感した。 読みたい本も見つかるしコスパの良い本だった。2016/04/03