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内容説明
――私の考える心理学的経営とは、いわば経営リアリズムであって、まず、人間を人間としてあるがままにとらえるという現実認識が出発点なのである。――(序章より) 人間をあるがままにとらえる「個性化」と「活性化」のマネジメントとは。江副浩正氏のもと、リクルートで30年にわたり組織における人間の「感情」や「個性」を深く追求した著者の、実務と研究に基づく全く新しい経営論。1993年に刊行された本書は今なお、「人材経営」の原点として求める声が多い。四半世紀の時を越え、電子書籍・プリントオンデマンドで遂に復刊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tai
17
心理学的経営の考え方は、人間の現実をあるがままに受け入れとらえることを何よりも重視。松下幸之助、とんでもない目標への挑戦を要望する中で自己否定、革命が生まれる。創造的破壊。人間は秩序をつくると同時に秩序を破壊する動物である。秩序による束縛は生命を押し殺す。秩序の破壊により内側に眠る生命力を挑発し組織にゆらぎを起こす。新たな学習に対し阻害要因となるものを破壊、アンラーニング、自己否定を促進する。どんな職業でも様々な個性を受け入れる余地があり、ある特性をもった人も多くの職業での行動傾向と個人的様式を見出す。2021/10/23
読書家のしょーた
6
「起業の天才」で触れられていた本のため気になって読んでみました。30年前の本ですが、今でも十分に通用するほど本質をついている内容だと感じました。流行りの心理的安全性を確保することが大事であることや、マネジメントにおいて自身の性質を把握し、一緒に働く社員の特性も把握し、相互に共有し合うことの大切さを学びました。また個人のやりたいことや目標設定を支援して、組織の内部でそれを叶えるための制度を構築すること、これは以前所属していた会社でも行っていたため、この本の内容を真似したのかな?とも思いました。2024/01/30
Takashi Takeuchi
6
約30年前に書かれたとは思えないくらい現代に充分通ずる名著。今でもHRの教科書として読まれている理由、人材輩出企業としてリクルートの強さの理由がよくわかる。2021/09/15
たくみくた
5
4冊目。「個をあるがままに生かす」という思想を持った大沢武史氏がその思想をどのようにをクルートで形にしてきたのか書かれた本。アカデミック×現場での学びを元に、組織をデザインし、日本を代表する企業のカルチャーの根幹を作ったのが凄まじいなと。2023/01/07
Masakatsu Yamasaki
2
非合理で矛盾を孕む人間をあるがままに捉え、人間に対する理解を中心においた企業経営である「心理学的経営」について書かれた本。まずはベースとなる理論を押さえたうえで、自身の強みとシャドウ(未発達の機能)への理解を深めたい。組織の中で相補性を発揮してポテンシャルを最大化させることが、リーダーの務めであり、組織で働く意義だと感じた。2021/09/22