山と溪谷社<br> 那須雪崩事故の真相 銀嶺の破断

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山と溪谷社
那須雪崩事故の真相 銀嶺の破断

  • 著者名:阿部幹雄
  • 価格 ¥1,408(本体¥1,280)
  • 山と溪谷社(2019/06発売)
  • ポイント 12pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784635140249

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内容説明

なぜ、雪崩の危険性が高い急斜面を登ったのか。
雪崩は自然発生か人為発生か。
真実を知りたいと願う遺族たちは不満を募らせたままだ。
生存生徒たちへの聞き取り調査から、
私がたどり着いた結論は「雪崩は人為的に発生した」
というものだった。
(本文から)

高校生ら8名が死亡、40名が重軽傷を負った那須雪崩事故を徹底的、かつ多角的に検証した渾身のノンフィクション。

2017年3月27日、那須温泉ファミリースキー場周辺でラッセル訓練を行なっていた高校生らに雪崩が襲いかかり、栃木県立大田原高校山岳部部員7名と顧問の教員1名が死亡した。
彼らは、栃木県高体連登山専門部が主催していた「春山安全登山講習会」に参加、雪崩に巻き込まれた事故だった。

一瞬のうちに悲劇のどん底に突き落とされる雪崩事故は、あとを絶たないが、今回の事故は、雪崩注意報が出されていたにもかかわらず、雪崩の起きそうな斜面に生徒を誘導した、起きるべくして起きた雪崩故だった。

著者の阿部幹雄氏が雪崩事故の発生の経緯からその原因を丹念に追跡し、長く困難な取材の末にたどりついた結論とは。

(内容)
第1章「14人の隊列」 8人が死亡した那須雪崩事故発生までの経緯
第2章「消えた痕跡」 専門家による研究班の結成、現地調査
第3章「真実を知りたい」 遺族・母親の叫び
第4章「隠された真実」 2010年、同じ山域で起きていた高校生の雪崩事故
第5章「弱層は板状結晶」 専門家による雪崩の原因究明
第6章「芽生える疑問」 検証委員会による事故報告書への疑問点
第7章「救えた命、救えなかった命」 杜撰だった初期捜索救助
第8章「生存生徒の証言」 この雪崩は自然発生か人為発生か
終章「高校生の夢」 生き残った生徒たちが現在も登山を続けている模様

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

♡ぷらだ♡お休み中😌🌃💤

40
2年半ほど前の高校生ら8名が亡くなった痛ましい那須雪崩事故は記憶に新しい。栃木県教育委員会設置の検証委員会、引率の先生や生存生徒たちからの聞き取り、雪氷災害チームの調査などからその事故の真相に迫る。この事故は、訓練内容や地形・気象などの雪崩知識不足、事故が起こった際の連絡方法の徹底不足など人為的な要素が大きいと感じた。2度と同じ悲劇が起こらないように願わずにはおれない。著者は、ミニャ・コンガで8名が滑落死した遭難の生き残り。「山へ行くものは、生きて帰らなければならない」という言葉はずっしりと重い。2019/08/13

Meistersinger

7
「再発防止のために、どのような教訓が得られるのか?」に興味があった。事故時の指導者だった教師たちから証言を得られず、その点は不満が残る(特に携帯電話で即時に救援を求めなかったことや現場での救出行動の遅れ)。気温変化から弱層といわれる雪崩が起こりやすくなる不連続層が出来ていた可能性が高かったことや雪崩のコースになりやすい場所を選んだことなど、指導者の判断ミスが主原因と思われるのだが。過去に起こった雪崩事故(被害は軽微)が報告されてないことを考えると、雪崩リスクを軽視していた可能性がある。2019/07/14

100名山

7
主要な当事者から聞き取りができていませんが、要点を押さえた力作だと思います。以前の雪崩体験をないがしろにし、地図で確認もせず訓練地域を口頭で合意し、、信頼関係のない講師の引率の許、雪崩に高校生を巻き込んだ指導者たちの責任は停職ぐらいでは遺族は納得できなと思いました。根底にあった高体におけるライバル意識も、著者が記すように管理者に責任があると思います。2019/07/12

ふたば@気合いは、心を込めて準備中

6
雪崩による事故は、過去から現在まで何度も発生し、多くの命を奪ってきた。雪崩の研究、雪や氷の研究は進んでいる。雪山に弱層が存在することを彼らは知らなかったのか。何故、すぐにできる弱層試験を行わないのか。何故、ゾンデも十分なスコップも、ビーコンも持たずに雪山に入るのか。雪崩からの救出訓練を行わないのか。海外の高山を経験していたはずの教員さえも、そこに思い至らなかったのか、と残念でならない。登攀技術を競うことも大切だ。しかし、もっと必要な知識、技術があると思うのだが。2019/08/19

ナツ

4
事故か事件かはっきりせずに終わってしまった…。雪崩発生時点の各班の位置や強行した経緯などはっきりしない点はいくつかあったが、一番不可解なのは付添の教員達が誰も携帯電話で救助の要請をしていない事!2019/08/08

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