河出文庫<br> 偶像の黄昏

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河出文庫
偶像の黄昏

  • ISBN:9784309464947

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内容説明

ニーチェの最後の著作が流麗で明晰な新訳でよみがえる。近代の偶像を破壊しながら、その思考を決算したニーチェ哲学の究極的な到達であると同時に自身によるニーチェ入門でもある名著。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ころこ

37
本が薄く、中身がアフォリズムで、訳文が通読しやすいため、初めてニーチェを読むにはうってつけの本です。くだらないと思うかも知れませんが…「偶像」とはニヒリズムのことです。「偶像」といえばキリストですが、キリスト以前のソクラテスも、容貌が醜悪で賤民のルサンチマンを抱えていたとして批判の対象となっています。ニーチェの偶像批判は超越論的仮象の観点が所与のため、思い付きを言いっぱなしのように聞こえるのが残念です。まあ、どの著作を読んでも、最もルサンチマンを抱えていたのは、他でもないニーチェ自身なのは明らかですが。2019/12/09

テツ

22
世界を、自らを取り巻く全てを見つめ探求する哲学から、今この瞬間に存在する人間を探求すること。つまり自分自身を探求すること。自分と、世界、社会、膨大な他人との関係性について深く深く考察し、プライペートでは生真面目でおとなしかった姿からは想像もできないような攻撃性を溢れさせながら自らの哲学を構築していった(末に発狂した)ニーチェ。そんな彼の思想の全てが詰まったニーチェ本人による彼の哲学のダイジェスト版。狂気に呑み込まれるほどの生真面目さから生まれた勢いのある思想は鬼気迫る。久々に読みました。2019/09/22

ゆとにー

14
ニーチェの著作のインデックス的な役割があり、ニーチェ自身によるニーチェ入門と扱える一冊。道徳批判、権力への意志、超人、ルサンチマン、デュオニソス的などニーチェを知る上で外せないトピックが箴言、断章を足場に駆け巡っていた。道徳が非道徳から生成してくるような動力学的記述や権力に無自覚な者への容赦ない批判には快哉を叫びたくなる。一方で優生思想を表立って肯定する部分には違和感が残る。2019/07/17

ふみふみ

10
私事ですが自分がニーチェ読むきっかけとなったのはコナンなんです。名探偵コナンじゃなく未来少年のコナン(古)でもありません、そう、シュワちゃん主演の映画「コナン・ザ・グレート」。冒頭にニーチェの箴言がドドーン!です。まあこれは監督のジョン・ミリアスの趣向らしかったのですが、その箴言が掲載された本書を手にして、最初のきっかけに戻ってきたんだなあという次第。閑話休題、本書は新訳で読みやすく、ニーチェ本人が自身の哲学入門書と言ってる通り入門書として最適だと思います。ソクラテスから始まってショーぺンハウアー、カント2021/07/20

Ex libris 毒餃子

5
ニーチェ晩年の著作。ニーチェのメインテーマである「偶像」について、多くのパースペクティブから論考を加えている。いつものアフォリズムもあり。『この人を見よ』はよく分からない展開だったが、こちらは分かりやすかった。2019/04/28

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