内容説明
朝敵とされた雄藩の処置の裏側で凄まじい権力闘争が続いていた!
維新直後の新政府は、瓦解の危機に瀕していたのだ!
藩閥政治という言葉に象徴されるように、明治政府は薩摩・長州藩が牛耳っていたというイメージが強いが、明治初頭は必ずしもそうではない。両藩は政府内で暗闘を繰り返す一方で、政府入りした藩士と藩に残った藩士の対立という悩みを共通して抱えていた。政府の中核であるはずの両藩の混乱を背景に、政府の迷走は深刻度を増す。
かたや、両藩から政府の主導権の奪取を目論む他藩は、虎視眈々とその機会を窺う。幕府や諸藩が入り乱れる形で権力闘争が展開された幕末以来の構図が明治に入っても続いていたのである。
維新直後より薩長両藩を主軸とする政府は迷走を続けた。その結果、廃藩置県直前には瓦解寸前の窮状に陥る。あたかも後醍醐天皇の建武の新政の二の舞になるところであった。
本書は、幕府滅亡から廃藩置県までの約3年間、迷走を続けてついに崩壊の危機に晒された明治政府の知られざる実態に迫るものである。定評ある歴史研究家が、前著『幕末維新 消された歴史』の続編として、光り輝く明治維新の陰に埋もれていった歴史に光を当て、その真実を描き出す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
24
幕府滅亡・大政奉還・東京遷都・廃藩置県が立て続けに起こった3年間に、虚々実々の駆け引きが行われたことが明らかにされる。薩摩と雄藩との主導権争い、薩長の権力闘争、旧藩主と藩士の対立などを背景にして、雄藩連合による豪族政治ではなく、天皇親政に直接移行した歴史のダイナミックスが実感できる。事実関係を丁寧に掬い上げるこの本のアプローチには敬意を覚えるが、しかし、結果的に、「瓦解の危機に瀕していた新政府」を救った原動力が一体何だったのかと考えると、腑に落ちた答えが見つからない読後感が残ってしまう。2019/07/12
北区のまき
2
題名を薩長衝突!にしたらいい。 前作では薩長vs会津だったけど今作では戊辰戦争後の庄内藩仙台藩盛岡藩の行方や、明治を簡単にまとめた訳ではない薩長など書かれていて面白い。徳川寄りの譜代も、出し抜かれた外様も薩長大好き!な訳ないよなぁ。虎視眈々と下剋上狙うよね、、、公家も暗躍してます2022/10/22
かろりめいと
2
王政復古前後の慶喜の行動、三職→太政官制→二官六省制と目まぐるしく変わった理由、廃藩置県の背景など、維新直後の数年間の出来事の理由がまったく分からなかったけど、本書を読んで初めて理解できた。面白かった。2019/08/13
まー
1
62019/09/21
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