内容説明
県警本部捜査一課・秋月春風(あきづきはると)巡査部長。生後三ヶ月になる可愛い息子・蓮(れん)くんのため、刑事としては初めての“育休”に挑戦中――。
七キロの蓮くんと大きい赤ちゃん用バッグを抱え外出するのに慣れた頃、ひょんなことから質屋強盗殺人事件の人質になってしまう。だが蓮くんのウンチやミルクの時間は事件とお構いなしにやってきて。果たして無事に生還できるのか?! (「人質は寝返りをする」)
六ヶ月になった蓮くんを連れて実家からの帰り道、春風は高速道路で特徴的なラッピングカーを目にする。その模様は乗車に疲れぐずる蓮くんをひと時ご機嫌にしてくれたが、知らず知らずのうちに犯罪のアリバイ作りに協力してしまうことに。(「瞬間移動のはずがない」)
県警本部庁舎に不審物が届けられた。それは最近刑務所から出所したある人物からの、復讐予告。春風はある晴れた休日の昼下がり、家族連れで賑わうショッピングモールに出かけた。姉に蓮くんをあずけ、久しぶりにデート気分を味わうはずだったが。(「お外に出たらご挨拶」)
母性神話、育児放棄、DV、親権争い、乳幼児突然死症候群……現代社会の育児における様々な歪みや問題点を、軽やかかつ徹底的にミステリとして描ききった著者渾身の代表作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みやしん
164
事件現場に連れ回される乳児。育児の工程を一つ一つ文字に起こすと目眩がするほどの情報量。男への育休に対する理解はまだ数歩も進んでいない世の中だけど、今後どう変化して行くか。「育児は女がして当たり前」とは長らく言われてはきたが、世間が男に「育児に無頓着」というレッテルを厳然と貼っているのも事実。打つ手の無くなった夜泣きに半瞬でも手をあげそうになった事を表現したのは評価したい。課長の造形が妙に不鮮明だったから女性じゃないか?と思っていたら、そーいう事ね。2019/11/17
雅
138
育児あるあるが満載で面白い。ぶっ飛んだお姉さんもいいキャラしてます。ミステリ度はそこまでじゃ無いけど、相変わらずの註釈が笑えます(笑)2021/11/13
うどん
128
殺人事件なのに蓮くんのおかげでほのぼの読んでしまいました!赤ちゃんはやっぱりかわいいなぁ~2019/08/22
ひさか
125
小説幻冬2019年1,2月号:人質は寝返りをする、3,4月号:瞬間移動のはずがない、書下ろし:お外に出たらご挨拶、の連作短編を2019年5月幻冬舎から刊行。事件と赤ちゃん育児のうんちく語りがおもしろかった。2020/08/10
ガチャ
124
タイトルそのままに刑事さんが育休してました。それも夫の春風の方が育休中とは。 男女問わず、赤ちゃんを育てるのは大変ですね。 お父さんお母さん尊敬します。 赤ちゃんの蓮君を一番に考えつつ、 夫婦のお互いを気遣って接し合う姿は微笑ましくもありました。育休中とは言え、蓮君連れで捜査に首を突っ込むことになってしまった主人公。最後にはなぜ奥さんではなく、旦那様の春風が育休を取ることになったのかにも納得できました。2019/09/27
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