内容説明
慶応4年5月の上野彰義隊の闘いは、政権奪取をはかる薩長土に抗して、江戸の侍たちが誇りと意地を貫いた負け戦であった。新政府の下の、江戸っ子たちは変心していった……。元旗本直参で生き残った彰義隊士・奥野左京らは切歯扼腕の毎日を送っていたが、薩長の目にあまる横暴に我慢できず、怒りはついに爆発した。歴史をあざむく権力者たちに挑んだ若者の悲劇を描く、長編時代小説。上野彰義隊の残党が大あばれ!
感想・レビュー
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19720624
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明治維新で没落した元旗本の話。作者は福島会津の出身とのこと。3月11日という日にこの話を読み終えたのも何かの縁なのかもしれない。2015/03/11
hari
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義を通して彰義隊として戦った主人公の、負けた側からの明治維新後の日本。 決戦の際に、強奪された宝刀と埋蔵金を奪い返すために動く主人公の目に映る傲慢な薩長。 旗本の子女の没落、横浜での英国館ではびこる阿片。 何となく読んだ早乙女作品でしたが本当に人間くさくって面白いお話を書かれる方でした。 ■章メモ 開化愚連隊 雨夜の客 女は二度死ぬ 旗本狩り 幼灯の女 横浜妖奇館 生首三千両 娼妓解放令 燃えつきた洋灯(ランプ)2012/06/02