内容説明
対面コミュニケーションは、話し手と聞き手の関係や会話をしている状況などの「社会的・状況的文脈」なしには成り立ちません。この「社会的・状況的文脈と意味の関係」を考える言語学の分野が語用論です。本書では、学習者の日本語の対面コミュニケーション能力を伸ばすために日本語教師はどのようなことができるのか、何をすべきなのかについて、語用論の分野の研究成果に基づいた提案をしています。
目次
第1章 言語教育実践のための枠組み
第2章 コミュニケーション能力
第3章 学習者の語用論的能力
第4章 語用論的指導
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ホシ
21
清水先生の講演を聞いたことがあります。講演の内容を丁寧にまとめた良書です。「構造的知識と語用論的知識はコミュニケーション能力の両輪」が先生のモットー。正にその通りで、うちら業界人は後者を教えるのに四苦八苦しますが、本書はモデルとなる指導法を示します。全面同意ですが、もう少し学習者側の視点があると良いかも。「学習者に気づかせる→指導者がフィードバック」の流れにおいて前半は学習者の言語適性(類推能力など)や学習意欲、学習者のニーズが大きく関わるはず。この点に関する先生の見解があるともっと良かったかな。2019/02/28