内容説明
一九八八年、恋人を長崎に残し、ケニアの戦傷病院で働く日本人医師・航一郎。「オッケー、ダイジョブ」が口癖の彼のもとへ、少年兵・ンドゥングが担ぎ込まれた。二人は特別な絆で結ばれるが、ある日、航一郎は……。二〇一一年三月、成長したンドゥングは航一郎から渡された「心」のバトンを手に被災地石巻に立つ。名曲をモチーフに綴る感涙長篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yoshida
212
日本からケニアへ。そしてケニアから日本へ繋がれてゆく想い。ケニアへ赴任した医師・航一郎。平和な日本とのギャップに揺れる彼の価値観。ケニアでの彼の決意と想いは多くの人々へ影響を与える。少年兵であったンドゥングは航一郎の想いに触れ医師となり、東日本大震災の被災地を訪れる。殆どの外国人が日本を去る。危険を省みず被災地救援に訪れたンドゥングは、避難所のリーダーに航一郎と共通する想いを見つける。共通するのは無私の想いの尊さだと思う。戦地でも被災地でも、無私の心で人々の為に動く姿は偉大だ。じわじわと感動を呼ぶ作品。2018/11/06
ykmmr (^_^)
146
実は『多彩』という言葉が似合う、さださん。歌だけではなく、トーク能力もあり、話も面白い。そんな彼が小説を書くとはね。実は、シュバイツァーやマザー・テレサの海外慈善事業に感銘し、自○隊や青年海外○力隊に入ってこういった事をしてみたいと、若い頃考えていた私には目を引く内容。実質、シュバイツァーの影響を受ける所から話がスタート。彼の人柄・真っ直ぐな言葉・決意などが周囲の人物から語られ、恋人を置いて旅立った事も、寂しく・悲しい事ではあるけど、お互いの『人生』を送る事への、1つのきっかけとなる。2022/04/17
昂 ふたたび
115
悲惨な現場でしっかり自分の足で立とうしている男たち。それを支えている人たちの絆、心のバトンリレーに、目頭が熱くなりました。航一郎の「ガンバレ」は、情けない自分、心が折れそうな自分を励ます言葉。人を思いやり安心させる「ダイジョウブ」に、励まされました。「算数で片付くならリーダー要らないっしょ」木島さんに痺れました。2015/09/02
naoっぴ
100
物語で泣き、歌で泣き、どうしましょうってくらい涙が止まらなかった。思うことが多すぎてとても書ききれないけれど、希望の光がこんこんと湧き出してくるような物語に心が震えた。アフリカの大地で戦傷者の医療活動をする航一郎の志を、彼の患者だった者が受けとり、さらにそれを次の誰かが受けとり…。たとえ志半ばになろうとも、彼に共感した者がその志のバトンを次の人へ繋いでいけば、その思いは自然と広がってゆく。ひとりだと見えないくらい小さくても思いの連鎖は大きな流れとなる。小さな思いの尊さ。素晴らしかった。2017/08/22
ふぅわん
99
【ガンバレー。涙】そう叫びたくなる。叫びたい。誰かにかける言葉として、また自分自身に。その時の状況により、ガンバレと言う言葉が辛く感じる状況のときもあるから伝えるのに躊躇うこともあるけれど。医療に携わる人には読んでほしい。人として医師としての感じ方が変わるかもしれない。いい意味で。志の強さに涙する。フィクション。いつのまにか涙が流れ出してた。読了後は、人に優しくしたくなる。自分にも優しくしてあげたくなる。綺麗にまとめられた作品ね。誰かにバトンを引き継げる人はどれだけいるんだろう。素敵な生き方ね。涙腺崩壊2020/02/02
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