内容説明
マンションに、不愉快な住人が引越してきた。この日ひそかに、悪意の種は蒔かれ、悲惨な事件に発展する。追いつめられた女は……。演じる人形も、操る人形遣いも、すべて闇の中。観客は果たしているのかいないのか? 操られつつ思いがけない暴走を起こす人間の恐ろしさ。推理界期待の新鋭が放つ、問題サスペンス長編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やまだん
5
鵜飼那美子という主婦の狂気が描かれた心理サスペンス。「しゃべくり探偵」シリーズの作者とは思えない,不気味なテイストで描かれた作品。「赤ん坊を殺すまでは,那美子はいかなる暴力行為ともほど遠いところに生きていた。」という冒頭の言葉に隠された真の意味は…。1990年の作品ということもあり,真相の意外性はそれほどでもないが,女性の作者らしく,女性心理の描写は見事。女性の恐ろしさを垣間見える作品。読後感も悪く好みの作風だが,意外性を意識したせいか,中途半端になっている。もう少しパンチが欲しかった(50点)。2016/04/30
kanamori
0
☆☆☆2012/10/12
Jimmy
0
黒崎緑のダークもの。途中はかなりかったるいが、ケツは割と良い着地。しかし、やはり時代を感じさせると言うのか、そのかったるさは、現代のミステリ界の豊穣さを逆に証明しているとでも言うのか。つまり“今”ではしんどいな、と思わせました。しかし「しゃべくり探偵」は時代を越えているとも思えるし。黒崎緑は好きなので、もう書いていないんでしょうか?2010/08/21